JR東日本労組を巡る報道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:20 UTC 版)
「西岡研介」の記事における「JR東日本労組を巡る報道」の解説
『週刊現代』連載の「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」は、雑誌ジャーナリズム賞と講談社ノンフィクション賞を受賞した一方で批判や裁判の対象にもなった。 2006年から2007年にかけて、記事に書かれていないJR東労組とその上部団体JR総連に所属する全国の組合員個人から名誉毀損だとして本人訴訟で48件の裁判が起こされるが、全て勝訴した。西岡は全国50か所の地方裁判所で訴えられており、労働組合が組織的な運動として行った、嫌がらせの訴訟であるスラップだと批判している。 しかし、松崎明元JR東労組会長から提訴された裁判では、一部の記述の名誉毀損にあたるとされ損害賠償を命じられている。2010年10月27日の東京高等裁判所の判決では、松崎明が革マル派最高幹部であることや組合費を横領した組合私物化については公益性と真実相当性が認められたことから名誉毀損にあたらないとされたが、列車妨害を指示したという印象を与える記述については真実相当性が低いことから名誉毀損が成立するとして330万円の損害賠償が命じられた。2012年3月27日に最高裁判所が原告と被告の上告を棄却して二審判決が確定した。 さらにJR東労組、JR総連などが講談社と西岡を提訴した裁判では、講談社と西岡がJR総連、JR東労組それぞれに220万円を支払うよう命じた判決が確定した。 名誉毀損裁判では、記事の情報源が警察庁や警視庁の幹部であることが明らかになり、かつて反権力雑誌『噂の眞相』でスクープを飛ばした西岡が、リークされた公安情報に依存することで、公安が意図したJR東日本労組批判キャンペーンの役割を担ったのではないかと指摘されている。『週刊金曜日』でも元読売新聞記者の山口正紀が公安情報に依存していると批判した。 これについて西岡は、公安情報だけでなく「マングローブ」元幹部からも情報を得てること、事件をもみ潰したなど公安批判もしていること、権力側からであろうと情報を得るのはジャーナリストの仕事であること、さらに西岡のスクープである森喜朗の買春検挙歴の記事の根拠となった指紋番号と犯歴番号の情報は公安からのリークであると反論している。
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