IPinCHのコミュニティプロジェクト
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「文化遺産における知的財産権問題プロジェクト」の記事における「IPinCHのコミュニティプロジェクト」の解説
IPinCHは15のコミュニティプロジェクトに資金を拠出し、カナダや世界各地の先住民コミュニティと建設的なパートナーシップを築いている。各プロジェクトはコミュニティのパートナーと共同で開発されている。パートナーは研究課題の選定・手法の開発・アウトプットの創出に全面的かつ積極的に関与し、プロジェクトデータを公表する前にレビューを行っている。こうしたアプローチを採用したのは、コミュニティの優先課題とニーズを重視しているためである。 「アクセスの事例: イヌヴィアルイット (Inuvialuit) とスミソニアン・マクファーレン・コレクションの取り組み」(カナダ・ノースウエスト準州) パートナー: Inuvialuit Cultural Resource Centre; Arctic Studies Center; Parks Canada; Smithsonian Institution; Prince of Wales Northern Heritage Centre.本ケーススタディの目的は、米国ワシントンD.C.のスミソニアン協会に所蔵されているイヌイットの人工遺物コレクション300点に関する文化的知識を、ソース・コミュニティに還元することである。これらの所蔵品は1860年代にカナダ西部北極域で先住民のイヌヴィアルイットから収集されたものである。2009年にイヌヴィアルイットの長老たち、伝統文化の専門家、教育関係者は、上記コレクション(「マクファーレン・コレクション」)を見学するためにスミソニアン博物館を訪れた。彼らの訪問はイヌヴィアルイットの人びとと博物館関係者双方の関心を大いに集め、イヌヴィアルイットの若者・長老・その他の成員と幅広い内容のアウトリーチ・プログラムを開始することになった。プログラムを通じて、伝統的文化に関する新しい知識が生み出されている。また、マクファーレン・コレクションの検索可能なアーカイブが作成されて、Inuvialuit Pitqusiit Inuuniarutaitのウェブサイトwww.inuvialuitlivinghistory.comで展示されるようになり、イヌヴィアルイットや関心のある一般の人びとがアクセスできるようになった。WEB:http://www.sfu.ca/ipinch/project-components/community-based-initiatives/case-access-inuvialuit-engagement-smithsonian-s-macfa 「アイヌにおける文化遺産と自然遺産の概念」(日本) パートナー: Nibutani Ainu Community; Center for Ainu and Indigenous Studies, Hokkaido University; Simon Fraser University. 本プロジェクトは、IPinCH、北海道大学アイヌ・先住民研究センター (CAIS)、北海道アイヌ協会、およびアイヌコミュニティと共同で実施されている。IPinCHは、情報とリソースの共有を通して北海道アイヌ協会とアイヌコミュニティに協力しており、文化的・知的財産権に関する政策や先住民の遺産を保護するためのプロトコルについて、アイヌの人びとのニーズを踏まえた取り組みを行っている。WEB:http://www.sfu.ca/ipinch/project-components/community-based-initiatives/ainu-conceptions-cultural-and-natural-heritage
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