GT-TS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:59 UTC 版)
ツインカム・ターボが登場した1カ月後の1982年10月にグループBカーとなるGT-TS(TA-64型)が発売された。この車は当時のFISAのグループBカーの基となる200台生産が要求される型であり、この中から更に高度な改造を施した20台のエボリューション・モデルを製造することができた。純粋なラリーカーのベース仕様車であり、改造を前提とした簡素なモデルのために、価格も市販量産型のGT-Tよりも10万円安価な169万円である。同時期に日産自動車が同様の目的で準備した日産・240RSが改造を要しないラリー仕様で200台生産されたこととは対照的な手法を採った。 エンジンは、市販型1,770 ccの3T-GTEU型のボアを0.5 mm拡大しボア85.5×ストローク78.0 mmとした排気量1,791 ccの4T-GTEU型が搭載された。これは競技規定でターボチャージャー付エンジンは係数1.4を掛けた値の排気量でクラス分けされるため3T-GTEU型では2,500 cc未満のクラスに入れられてしまうことを避け、タイヤ巾のより広い3,000 cc未満のクラスに入れるようにという配慮からである。エンジンに関する変更はこのボア拡大のみで160 hp/6,000 rpm、21.0 mkg/4,800 rpmといった値は3T-GTEU型と同じ。 当時の4気筒エンジン搭載のセリカの市販車には、後輪サスペンションが上位グレードの独立型セミトレーリングアーム式サスペンションと下位グレードの固定型4リンク式リジッドの2種類があった。ツインカム・ターボエンジン搭載の市販車は全て前者で、GT-TSは改造度の高さとラリー競技での整備性の高さから固定型サスペンションを採用していた。 ボディもスポイラーやオーバーフェンダーといった付加物は装着されておらず、フロントフェンダーの素材が鋼板から「R-RIM」と呼ばれるウレタン樹脂になったのが唯一の変更点である。車両重量は主にリアサスペンションの変更により標準のGT-Tよりも約35 kg軽量化された1,110 kgとなっていた。
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