EJ20の終焉と今後
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「スバル・EJ20」の記事における「EJ20の終焉と今後」の解説
2010年9月23日、21年ぶりとなる新型エンジンのFB型エンジンを発表。EJ型に代わる2.0 - 2.5 Lクラスの水平対向4気筒エンジンとして、フォレスターを皮切りに搭載車種を順次拡大していくことが伝えられた。このエンジンは群馬製作所大泉工場内の専用工場にて生産され、内径84 mm×行程90 mmとロングストローク化を達成、各種改良により経費削減とともに高効率化し、出力や燃費の向上の他にも、将来対応が厳しくなることが予想される環境性能も充分に満足させる発展的設計を採り入れたとされている。その内容もEJ型のやり方を踏襲するのではなく、完全新設計となっている。 また、トヨタとの提携関係を結んだ後にいち早く計画された共同開発車種86 / BRZの開発が進む中、トヨタでもスバル設計のエンジンを載せる車両を販売する事を考えた際、既存のEJ型では「トヨタの看板の下で売れるほど十分な環境性能が得られない」と判断され、結果としてEJ型では対応を検討されたものの実現不可能とされた直噴(トヨタ名: D4S)を採用した新世代のスポーツユニットFA20型(NA仕様)が誕生し、紆余曲折の後に過給器と直噴を組み合わせたFA20 DITへと発展する。 そして、世界的な流行としてトヨタが先鞭をつけたハイブリッド化とは別に、欧州で流行しているダウンサイジング化の波に乗り、2.0 Lクラスの車体に1.6 L直噴ターボエンジン「FB16」を搭載した「レヴォーグ」を2014年に発表。このFB16は、1600 ccの排気量からレギュラーガソリンで125 kW (170 PS) と250 N·m (25.5 kgf·m) を発生、走行場面ごとにエンジン / トランスミッション制御を変えられる「SIドライブ」も採用し、燃費17.4 km/L(JC08モード、2015年以降さらに向上)、最大トルクを1,800 - 4,800 rpmという幅広い回転域で発生するという、EJ型では実現不可能だった特性を実現させ、平成32年度燃費基準に適合するなど、時代に適合した環境性能と経済性、充分以上の動力性能を手にしている。 このように実用エンジンから高出力モデルに至るまで新型エンジンに移行していく中、唯一の搭載車種であったWRX STIの受注受付を2019年12月23日限りで終了すると発表。555台の限定車「Final Edition」の完売と2020年3月まで続いた受注分生産完了をもって、新車搭載のためのエンジンとしての役目を終えた。
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