Dolbyオーディオ符号化標準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 21:29 UTC 版)
「知覚符号化」の記事における「Dolbyオーディオ符号化標準」の解説
ドルビーラボラトリーズは1980年代後半から知覚符号化技術の研究と標準化の活動を活発に行っており、AC-2とマルチチャネル向けのAC-3アルゴリズムを開発した。 Dolby AC-2, AC-2A AC-2はドルビーラボラトリーズが開発したシングルチャネル向けのオーディオ符号化規格のファミリーで1989年に最初に発表された。20 KHzの帯域幅のオーディオ信号を128~192 kbpsに符号化できる。 入力を Time Domain Aliasing Cancellation(TDAC)呼ばれる変換で周波数領域の係数に変え、人間の聴覚特性に近いサブバンド単位にまとめ、マスキング特性を考慮したビット割り当てを行う。。周波数領域の係数は指数部と仮数部に分けて処理される。指数部は入力信号の大まかなスペクトル成分を、仮数部はその詳細部分を表現する。AC-2には4つのバージョンがあり、処理単位となるサンプル長、フィルタの細かい構成、音質などが異なる。 AC-2は映画スタジオやTVスタジオや間のISDN接続を用いた遠隔モニターやダビングなどの目的によく使用された。 Dolby AC-3 AC-3はAC-2を改良しマルチチャネル化した符号化規格で、ドルビーデジタルの名称でも呼ばれる。サポートするビットレートは 32~640 kbps で、高音質のオーディオ信号を 64 kbps/チャネルで表現できる。フィルタバンクの改良、知覚モデルとビット割り当ての改善、マルチチャネル信号間の相関の利用などでビットレートの削減を行っている。 AC-3の最初の利用は映画で、1991年の『スタートレックVI』で試験的に使われ、1992年の『バットマン・リターンズ』で公式発表された。その後、多くの映画や、DVDビデオ、BDビデオ、各種ゲームソフトなどの幅広い媒体で利用されている。
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