DirectXとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 13:13 UTC 版)
「OpenGL」の記事における「DirectXとの関係」の解説
「Microsoft DirectX#OpenGLとの関係」も参照 OpenGLは3Dグラフィックスを専門的に扱うライブラリである。対してMicrosoft DirectXは、ゲーム開発での利用を主な用途としており、グラフィックスのみならずサウンドや入力関連のAPIを含んでいる点で性質が異なる。なお、OpenGLと直接比較されるべきAPIは、DirectX製品の一部、グラフィックスを司るDirect3Dである。 DirectXは主にWindowsやXboxプラットフォームでのゲーム開発等で多く用いられる(Linux上でDirectXを動作させるCedegaなどの例もある)。対してOpenGLはクロスプラットフォームであり、Windowsだけでなく様々なOSに実装が提供されている。Windows環境ではDirectXとOpenGLを両立させる事も可能である。 発祥がワークステーションである事やクロスプラットフォームである事から、CADや工業デザイン、科学技術計算や医療での視覚化等の業務分野では、クロスプラットフォームなアプリケーションに限らずWindows専用アプリケーションであっても、Direct3D等のエンタテインメント用途重視のグラフィックスAPIよりもOpenGLが用いられる事が多い。そのため、ワークステーションや業務向けのGPUやビデオカード製品には、OpenGLに最適化された仕様の物が販売される傾向がある。OpenGL向けと称されているGPUにはNVIDIA社の『Quadro』シリーズや、AMD (旧ATI) の『AMD FirePro (旧ATI FirePro/FireGL)』シリーズが存在し、デバイスドライバーを含めた仕様がOpenGL用に最適化されている。しかしその反面、これらの製品はDirectX (Direct3D) への最適化が甘く、DirectXを使用したアプリケーションにおける性能が芳しくない傾向もある 。 GeForceやRadeonのようなコンシューマー向けGPUのWindowsドライバーは、OpenGLではなくDirect3Dに最適化されているが、コンシューマー向けGPUとWindowsドライバーによるOpenGLが、常にDirect3Dよりも遅いわけではない(場合によってはOpenGLのほうが高速になることもある)。 なお、WindowsだけでなくLinuxおよびMac (macOS) に対してもGPUベンダーからOpenGL対応のドライバーが供給されているが、Macに関してはWindowsおよびLinuxと異なり、そもそもベンダーが正式対応しているハードウェアが限られている。 シリコングラフィックスとマイクロソフトはかつてOpenGLとDirect3Dの統合を目標として、Fahrenheitと呼ばれる3DグラフィックスAPIの共同開発を1997年に開始したことがあるが、1999年の末までに計画は事実上頓挫している。また、マイクロソフト社はOpenGL ARBの設立時のメンバーでもあったが、2003年に脱退した。その後、シリコングラフィックスの倒産やOpenGL仕様のKhronosグループへの移管など紆余曲折を経て、2014年にはOpenGL 4.5の発表とともに、マイクロソフトがKhronosグループに参加することが明らかになった。
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