DTPソフトによる自動組版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 01:17 UTC 版)
「DTP」の記事における「DTPソフトによる自動組版」の解説
QuarkXPressやInDesignなどのDTPソフトが、一ページのレイアウト・デザインに重きを置き、一ページの制作費用を比較的高く設定できる環境での使用から、ページ物印刷での組版作業という環境で使用され始めると、生産性というWYSIWYG方式でのDTPの基本的な要素と矛盾する要求を満足させる必要性が出てきた。 また、印刷する内容(ソースデータ)も、紙での原稿入稿から、テキストデータファイルやスプレッドシートファイルのような電子媒体での入稿にシフトし、多種類のデータフォーマットの取り込みを行わなければならなくなった。このような、電子媒体でのデータが一般的になると、インターネットやCD-ROMなど多種類の表示方法の普及にともない、紙への印刷という範疇を超えて、データの互換性・再利用性の問題から、SGMLやXMLのような意味性に重きを置いたマークアップデータ構造によるデータ入稿が、印刷クライアントからの要求として印刷会社に求められるようになった[要出典]。 このような背景から、大量の電子媒体データから、人手を省力化でき、生産性を高めることの出来る自動組版処理の機能をDTPソフトに付加することが課題となって登場した。 QuarkXPressやInDesignなどは、Xtention,Plug-In等という形で、DTPソフトの機能拡張を可能としているほか、AppleScriptやVBScriptなどでDTPソフトが内蔵する機能を外部から利用する手段も公開し、第三者の各種の利用に供している。 これらのDTPソフトの公開機能を使用して、様々な「自動組版処理」のアプリケーションが開発され販売されている。 自動組版の方法としては、 レイアウト指定のないデータに、如何にして、レイアウトを付加するのか。 付加されるレイアウトが定形レイアウトなのか、非定形レイアウトなのか。 文字の大きさや色などを部分的に変えたりする場合の方法は。 といった、レイアウト、文字属性設定への対処方法と、 データベースのデータのように、項目に対して、属性を持たせられないデータ。 XMLデータのように、タグに対して、属性を持たせられえるデータ。 の2種類の入稿データへの対処方法ということの考え方の違いにより、アプリケーションベンダー各社で異なった実現方法となっている。 このようなデータベースやXMLのデータが、データベースやXMLデータとして蓄積保存される価値があるデータとして成立するのに対して、そこまでは利用しないが、データ量としては大きい、あるいは、一時入力では、データベース化するまでの資力がないといったような様々な要因から、データベースやXMLにならないデータに対する自動組版ということも、一方では潜在化した需要として存在する[要出典]。この用途に対して、従来の専用組版システム(電算写植)で用いられた「バッチ・コマンド組版」を、DTPソフト上で実現しようとする考え方があり、開発あるいは販売されている。
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