DTP化を積極的推進
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 00:27 UTC 版)
MacintoshによるDTPの波がやって来た時、写研は方針により書体をオープンにせずに独自路線を歩んだが、ここでモリサワはアドビと提携し、Macintosh用フォントとして自社の書体を販売する道を選んだ。当初これは社内外から懐疑的な声も多く、またフォントのスタンダードの地位をめぐってはさまざまな戦いがあったが、1990年代を通じて同社の書体は、DTPにおけるデファクトスタンダードとして盤石の基盤を築くとともに、手動写植時代には年商ベースで業界トップであった写研を抜き去り、業界首位となっている。 2002年からOpenTypeフォントをリリースし、いわゆる次世代DTPへの布石を打っている。これにより、Windows環境でも同社の人気ある書体が使用できるようになった。Windows上で同社の書体を使いたいという需要も多く、ViewフォントというWindows用ATMフォントも販売していた。これはプリンタのCIDフォントを指定する専用のスクリーンフォントであったが、意図的に輪郭線のサンプリング品質を落としたため、非PSプリンタで出力すると粗い密度の印字物しか得られなかった。また、MacintoshのPSフォントとの文字セットの違いや欧文数字のグリフの違いなど互換性が高いとは言えなかった。現在はそういった欠点などすべてがOpenTypeフォントで包括できることから、同社ではViewフォントの販売は終了、OpenTypeに移行している。 電子書籍市場の拡大、スマートデバイスの普及に鑑み、電子書籍へのオーサリングツールや印刷用データの電子配信、多言語フォントを用いた多言語配信といった分野にも参入している。
※この「DTP化を積極的推進」の解説は、「モリサワ」の解説の一部です。
「DTP化を積極的推進」を含む「モリサワ」の記事については、「モリサワ」の概要を参照ください。
- DTP化を積極的推進のページへのリンク