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炭化カルシウム

(CaC2 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/14 08:52 UTC 版)

炭化カルシウム

純度の高いカルシウムカーバイドは灰白色。

市販されているカルシウムカーバイドでは、不純物のために青みがかった灰白色となっている。
識別情報
CAS登録番号 75-20-7 
PubChem 6352
ChemSpider 6112 
特性
化学式 CaC2
モル質量 64.099 g/mol
外観 白色固体
(不純物で灰色の場合有)
密度 2.22 g/cm3, 固体
融点

2160 ℃

沸点

2300 ℃

への溶解度 反応
構造
結晶構造 正方晶 [1]
空間群 D174h, I4/mmm, tI6
配位構造 6
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −63 kJ·mol−1
標準モルエントロピー So 70 J·mol−1·K−1
危険性
NFPA 704
3
3
2
W
関連する物質
関連物質 アセチレン
カルシウムシアナミド
リン化カルシウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

炭化カルシウム(たんかカルシウム)、別名カルシウムカーバイド (calcium carbide) は、化学式 CaC2 で表される化合物である。灰色がかった白色固体で、主にアセチレンガスの簡便な発生源として利用される。

燃料用に市販されているカルシウムカーバイドは灰白色の塊状固体である。これには不純物としてリン化カルシウム硫黄などが含まれている。この不純物に由来するホスフィン硫化水素のため、市販品によって発生したアセチレンはわずかな不快臭を呈する。純粋な炭化カルシウムは無色透明の結晶である。カルシウムイオン(Ca2+)とアセチリドイオン(C22−)で満たされた塩化ナトリウム型の結晶構造をとる。

製造

電気炉でカーバイドを生成しているところ

生石灰コークスの混合物を電気炉で約2000℃に加熱することによって作られる。反応式を以下に示す。

炭化カルシウムと水が反応する様子

炭化カルシウムと水の反応は1862年にフリードリヒ・ヴェーラーによって見出された。1グラムの CaC2 からは370ミリリットルアセチレンが生成する。

三居沢発電所の藤山常一像

1902年(明治35年)、宮城紡績電灯の藤山常一技師長が仙台市郊外の三居沢発電所で、日本で初めてカルシウムカーバイドの製造に成功した。藤山はかねてから電気エネルギーの利用に関心があり、三居沢発電所で発電される電力を利用してカーバイドを製造した後、同年4月に「三居沢カーバイト製造所」が設立された[2]。藤山は三居沢の他に全国4箇所の工場を設立した後、1907年(明治40年)に野口遵とともに日本カーバイド商会を設立している。

出典

  1. ^ Massalimov, I. A.; Kireeva, M. S.; Sangalov, Yu. A. (2002). Inorganic Materials 38 (4): 363. doi:10.1023/A:1015105922260. 
  2. ^ 「三居沢発電所考」『仙台郷土研究 復刊第25巻2号-特集 仙台開府400年論考』通巻261号 p.48

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