Battle of Canusiumとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Battle of Canusiumの意味・解説 

カヌシウムの戦い

(Battle of Canusium から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/21 05:49 UTC 版)

カヌシウムの戦い
戦争第二次ポエニ戦争
年月日紀元前209年の夏
場所:カヌシウム(現 アスコリ・サトリアーノ
結果:引き分け
交戦勢力
カルタゴ ローマ
指導者・指揮官
ハンニバル・バルカ マルクス・クラウディウス・マルケルス
戦力
不明 およそ20000
損害
戦死8000以上 戦死5700
大部分が負傷
第二次ポエニ戦争

カヌシウムの戦い英語: Battle of Canusium)は、第二次ポエニ戦争において紀元前209年ハンニバル・バルカ率いるカルタゴ軍とマルクス・クラウディウス・マルケルス率いるローマ軍との間で戦われた戦闘である。

背景

空前絶後の大敗を喫したカンナエの戦い紀元前216年)の後、ローマはファビウス・マクシムスの提案した持久戦法(徹底的にハンニバルとの交戦を避け、ハンニバルの疲弊を待つ)によってハンニバルを疲弊させようとした。ところがローマの将軍のうちマルケルスだけは、三度にわたりハンニバルからノラを守り抜いたり、紀元前210年ヌミストロの戦いでハンニバルと引き分けるなど積極果敢にハンニバルに挑み続けた。一方ハンニバルは南イタリアでローマの同盟都市をローマから裏切らせるための活動を続けていた。

紀元前209年、ファビウスはハンニバル側に寝返ったタレントゥムへと向い、ハンニバルのタレントゥム援助を防ぎつつ、大規模な会戦にならないようにカヌシウム(カンネーの南西の町)にて小競り合いを繰り返した[1]。ファビウスとの戦いから一晩明け、ハンニバルは次は新たに接近してきたマルケルスと戦う運びになった。

戦い

戦いの前にハンニバルは兵士たちに今日はこれまでになく激しく戦えと命じ、戦いに移った。続いた戦いでは、ローマ軍の右翼が苦戦していたので、マルケルスは一部隊に前進を命じたが、この移動のために戦っていた兵士たちは混乱し、ローマ軍は2700人の兵士を失う敗北を喫した[2]

翌日の戦いでは、双方の歩兵が互角に戦っていると、ハンニバルは敵の重装歩兵へと戦象を差し向け、象はローマ軍の戦列を蹴散らした。しかし、フラウィウスという名のローマ軍の隊長の一人が軍旗の竿で象を殴ると、その象は向きを変え、後ろの象とぶつかった。これを引き金としてカルタゴ軍の象たちは混乱し、マルケルスはそこへ騎兵を突撃させて敵の混乱をさらに大きくした。これによってカルタゴ軍の多くの兵士が死に、結果カルタゴ軍は8000人以上を、ローマ軍は3000人の兵士を失った。しかし、ローマ軍はそのほとんどが負傷しており、もはや事実上戦闘不能であった。このため、マルケルスは敵を追撃することができず、一方のハンニバルは悠然とカンパニア地方へと移動し、越冬した[3]

その後

その後、ハンニバルはイタリア中を荒らしまわり、カヌシウムの戦いの結果によってそれを許してしまったマルケルスは護民官プブリウス・ビブルスによって弾劾されたが、勝訴したのみならず、彼を措いてハンニバルと渡り合える者はいないとして5たび執政官に選ばれた(紀元前208年)。しかし、同年、ヴェヌシアにてマルケルスは無防備にも少数の者と共に偵察に赴いていた時に敵の待ち伏せに遭い、同僚の執政官共々戦死した[4]

  1. ^ プルタルコス, 「マルケルス」, 25
  2. ^ ibid, 25
  3. ^ ibid, 26
  4. ^ ibid, 29

参考文献


「Battle of Canusium」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Battle of Canusiumのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Battle of Canusiumのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカヌシウムの戦い (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS