AU712形による冷房化改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:18 UTC 版)
「国鉄115系電車」の記事における「AU712形による冷房化改造」の解説
非冷房車は冷房搭載を前提としていないため、構体の補強および電源用三相交流引き通し増設の工事が伴い、多額の費用と時間を要していた。早期の冷房化を図るため、JR東日本での非冷房車の冷房改造は分散式のAU712形で行われることになった。1988年度から改造が実施され、豊田電車区・小山電車区・上沼垂運転区(現・新潟車両センター)所属の基本番台・800番台を対象に施工されている。 冷房装置本体は重量分散化で補強を不要とするAU712形集約分散式冷房装置を搭載、室内の左右に冷気用ダクトを2本設置して冷房効率化の観点から一部の扇風機を残存した。電源は当初はモハ114形のMG換装で対応していたが、途中から工期・費用を削減するためSC24形補助電源装置 (SIV) を屋根上搭載とした。SIV搭載の場合はクモハ・モハ114形のMGが20 KVAのまま存置されている。 冷房準備車ではAU75C形の後継機種となるAU75F形を搭載するのが基本であるが、上沼垂所属のクハ115-1502・1503・2035・2037・2039・2040・2129は編成を組成する電動車ユニットが非冷房車であったため、冷房準備車ながらAU712形冷房装置と冷房電源用SIVが搭載された。AU75形用塞ぎ板を一旦外した後に天井を再改造しており、ランボードを残存させているが、1981年以降の製造車は201系で採用された物と同タイプを装備する。 115系のAU712形冷房改造車は施工車の大半が車齢の高い初期車であったため、早期に淘汰されている。中央東線では2000年12月の豊田電車区から松本電車区転属後に小山区からの115系転入車に置換され、東北・高崎線用はE231系への置換えで全廃となった。新潟地区では比較的遅くまで残っていたが、2015年12月までに全廃となっている。 2000年に松本運転所へ転属した編成の一部は伊豆急行200系となったが、すでに全廃となった。
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