ARIB 規定への非準拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:46 UTC 版)
「フリーオ」の記事における「ARIB 規定への非準拠」の解説
日本のデジタル放送は、通常CCI(Copy control information)と呼ばれるコピー制御信号を含んでおり、ARIB規定では、CCIがコピーワンスの場合は、保存媒体への記録時にネバーコピー(コピー禁止)へ書き換えるよう定めている。しかし、これに従わないフリーオでは、CCIの書き換えを行わずにコピーワンスのまま記録する。また、ARIB規定では、保存媒体へ記録する際には、データの再暗号化を施すよう定めているが、フリーオではこれも行わず、平文のMPEG-2 TSで記録する。そのため、録画データはMPEG-2 TSの扱える一般的なソフトウェアで視聴及び編集が可能である。 フリーオのようにARIB運用規定に従わないチューナーを締め出すために、日本のデジタル放送では、放送データそのものにMULTI2暗号(B-CAS暗号)によるスクランブルが施されており、これを解除して視聴及び録画するためには、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズによって発行されたB-CASカードが必要である。ARIB及びB-CAS社に認証されたチューナーは、B-CASカードが付属した状態で販売されているが、フリーオには付属しておらず、フリーオで使うことを目的としてARIBやB-CAS社に請求しても発行はされない。 そのため、フリーオを使用するためには、認証されたチューナー向けに発行されたB-CASカードを流用することになる。ただし、2008年8月21日に公開されたドライバ(1.90beta)では、インターネット上から暗号解除用のデータを取り入れることによって、B-CASカードなしでスクランブル解除が可能になった。フリーオはCCIを削除しないため、法的に取り締まることが出来無くなっている。 このような特徴から、日本国内では販売されておらず、購入するためには台湾(公式ウェブサイトより)に所在する業者から、公式サイトを通じて個人輸入する形となる。コピー・ワンス制御を受けないことが、電子掲示板等で話題となった結果、再発売の度にすぐに(早いときには開始から数分で)完売となる状況が長く続き、ネットオークションにて、10万円近いプレミア価格で転売されていた時期もあった。現在では、在庫は潤沢になっており、容易に入手が可能である。 外付けタイプのデジタルチューナーとしては、使用機器を限定されるなどの制限を受けないUSB接続で、手軽な外付けデジタルチューナーとしての利点もある。 日経BPの報道によれば、フリーオは殆どの処理をソフトウェアで行い、ハードウェアには低コストの電子部品を採用した「非常に簡素な構造」となっていることや、各種の特許料を支払っていないと考えられることから、製造コストは3000〜3500円程度であると試算している。
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