A330neoの開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 05:50 UTC 版)
「エアバスA330」の記事における「A330neoの開発」の解説
その一方で、A320ファミリーのように新しいエンジンを採用した次世代化の可能性も取りざたされてきた。2014年6月の航空記者向け説明会において、エアバスはエンジン換装に伴う手間に加えて、単通路機よりも市場規模が小さく採算が取れないという理由でこのモデルの開発に否定的な見方を示していた。しかし、同年7月14日のファーンボロー国際航空ショーにて、R-R製の新型エンジン「トレント7000」を採用した発展型となるエアバスA330neo (new engine option) の開発を発表した。A330neoの主翼はA350 XWBと同様のウィングレットを備え、翼幅は従来の60.3メートルから64メートルに拡大されるほか、パイロンなども改良され空力性能が強化されている。。また、コックピットシステムや機内のエンターテインメントシステムも新型に置き換わる。客室の内装もA350 XWBのものをベースとした新型となった。 A330neoは2タイプで構成され、A330-200と同サイズのモデルがA330-800neo、A330-300と同サイズのモデルがA330-900neoと名付けられた。航続距離はA330-800は7500海里(約13,900キロメートル)、A330-900は6550海里(12,130キロメートル)となる。ファーンボロー国際航空ショーの期間中にエアアジア Xのほか、大手航空機リース会社であるエア・リース・コーポレーション(英語版)、アボロン(英語版)、CITから計121機の覚書による受注を獲得した。また、ハワイアン航空のように発注済みのA350 XWBをA330neoに置き換える航空会社もあった。2016年には、エアバスはA350XWBの短胴型であるA350-800の開発を中止し、A350-800と機体サイズが近いA330neoを提案する方針を発表した。 A330neoの2機種のうちA330-900の開発が先行し、2017年10月19日に初飛行を行なった。その後、3機の試験飛行機で試験飛行を行い、2018年9月27日にEASAから型式証明を取得した。その2か月の11月26日、最初の引き渡しがTAPポルトガル航空に対して行われ、同年中に路線就航が開始された。また、12月21日にはFAAによる型式証明を取得した。 この間A330-800については、2018年2月にハワイアン航空が発注をキャンセルしたことで受注がゼロになった。しかしA330-800の初号機は製造が進んでおり、エアバスは開発と販売を継続した結果、2018年10月にクウェート航空から8機の受注を得た。同年11月6日には、A330-800の初飛行に成功している。 A330neoの発表に伴い、従来型のA330を「A330ceo」 (current engine option)と呼ぶ場合がある。
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