A330との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:33 UTC 版)
「エアバスA340」の記事における「A330との関係」の解説
「沿革」節で述べたとおり、A340の第1世代とA330(A330-300)は姉妹機として同時に正式開発が決定され、両機の構成要素は最大限共通化された。両機の間では胴体断面は同一で、尾部も尾翼を含めて共通である。主翼もエンジン取付部以外は構造的に同じで空力学的に全く同じである。A330のエンジンはA340での内翼側のエンジン(第2、第3エンジン)にあたる位置に取り付けられている。エンジン取り付け部の主翼前縁にはスラットがなく固定の前縁となり、A340では片側2か所、A330では1か所が固定部となる。また、降着装置も中央脚を除いてA340とA330で同一である。操縦系統やコックピットも基本的に共通で、違いはエンジンに関する部分であり、A340ではエンジンのスロットル・レバーの数が4本、A330では2本である。 A340とA330の各型式で比較をすると、A340-300とA330-300では胴体長まで同じであり、違いはエンジンの数に関連するものだけである。A340-200とA330-200はともに短胴型として開発されたが、胴体の長さはA330-200の方が短く、全長はA340-200が59.40メートルでA330-200が58.82メートルである。また、A330-200では垂直尾翼の高さが拡大されている点も異なる。A340の第2世代では主翼や尾翼が拡大されて胴体長も延長しており、第1世代よりはA330との共通点は少なくなった。 エアバスは、4発機のA340を長距離路線向け、双発機のA330を短中距離路線向けと位置付けていた。実際、A340-200とA340-300の最初の就航路線は、ドイツやフランスと米国を結ぶ大西洋横断路線であり、A330が最初に就航したのはフランスの国内線であった。その後、航続距離延長型のA330-200が開発されたほか、ETOPSによるA330の運航可能範囲が段階的に拡大されており、A330も長距離路線に就航するようになっている。A340とA330はともに、引き渡し開始後も最大離陸重量を引き上げたオプションが開発されており段階的に航続力や収容力が向上しているが、2004年時点の資料をもとに標準座席数と航続距離について比較すると、13,000キロメートル程度を境に短距離がA330、長距離がA340となっている。
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