300 km/h以上の高速化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:04 UTC 版)
「東北新幹線」の記事における「300 km/h以上の高速化」の解説
2005年6月からE954形(FASTECH 360S)、2006年4月から新在直通対応のE955形(FASTECH 360Z)による試験走行が開始され、地上設備と車両に関して様々な試験が行われた。その結果を踏まえて、2007年7月に東北新幹線320 km/h化が決定された。320 km/h運転に向けて、地上設備では2008年度から2012年度にかけて対策工事が行われ、騒音対策として防音壁のかさ上げや騒音低減装置(NIDES)、側壁吸音板の設置、トンネル微気圧波対策として緩衝工の新設・延伸、コンクリート桁のたわみ低減対策、通過時の駅構造物への圧力変動対策として一ノ関駅、水沢江刺駅、新花巻駅で改修工事が行われた。車両面では320 km/h運転が可能なE5系およびE5系と併結し320 km/h走行が可能で新在直通車両であるE6系が開発された。 2011年3月5日のダイヤ改正では、E5系が導入され、JR東日本では初めて宇都宮駅 - 盛岡駅間で最高速度300 km/h運転を行う「はやぶさ」3往復が運転を開始した。これにより所要時間は最短で東京駅 - 盛岡駅間が2時間20分、東京駅 - 新青森駅間が3時間10分となった。 2013年3月16日のダイヤ改正では、E5系単独編成の「はやぶさ」において宇都宮駅 - 盛岡駅間で国内最速となる最高速度320 km/hでの運転を開始した。所要時間は最短で東京駅 - 盛岡駅間が2時間10分、東京駅 - 新青森駅間が2時間59分となった。また、E5系とE6系の併結編成「はやぶさ・スーパーこまち」での最高速度300 km/h運転を開始した。 2014年3月15日のダイヤ改正では、秋田新幹線の車両が新型車両のE6系に統一されたことで「はやぶさ・こまち」の全ての併結編成において宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度が320 km/hに引き上げられた。これにより、東京駅 - 秋田駅間の所要時間は8分短縮されて最速で3時間37分、下り平均で12分短縮されて3時間47分となった。また、全ての「はやぶさ」が320 km/h運転となったことで所要時間は東京駅 - 新青森駅間の下り平均で9分短縮されて3時間14分となった。 2021年3月13日のダイヤ改正では、上野駅 - 大宮駅間のうち埼玉県内の区間(約12 km)において最高速度を110 km/hから130 km/hに引き上げた。この区間では、2018年5月下旬から概ね2年程度をかけ、吸音板設置や防音壁かさ上げといった騒音対策等の地上設備の工事が行われた。これにより、同区間において所要時間が1分程度短縮された。 整備新幹線として建設された盛岡 - 新青森間の最高速度は1973年の整備計画に基づき260 km/hとされているが、JR東日本はこの区間についても最高速度を320 km/hに引き上げる計画を発表している。詳細は「今後の見通し」を参照。
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