21世紀における捜査の進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:19 UTC 版)
「ゾディアック事件」の記事における「21世紀における捜査の進展」の解説
2004年4月、サンフランシスコ市警察は、事件の取扱件数の逼迫やリソースの必要性を引き合いに出し、ゾディアック事件に対する捜査活動を停止した。しかし、2007年3月以前のどこかの時点で捜査を再開した。ナパ郡やリバーサイド市では捜査が続いている。 2020年2月、地元の歴史家のクリスティ・ホーソーン (英: Kristi Hawthorne) は、ゾディアックは1962年4月、カリフォルニア州オーシャンサイドでタクシー運転手のレイ・デービス (英: Ray Davis) を殺害した可能性があるという説を発表した。殺人事件が起きる前日の1962年4月9日、犯人と思われる人物がオーシャンサイド警察に電話をかけ、"I am going to pull something here in Oceanside and you'll never be able to figure it out." (直訳すると「俺はこのオーシャンサイドで何かをやってのけるつもりだが、お前らにはそれを決して理解できないだろう」) と発言した。犯行の数日後、警察に同一人物からと思われる電話がかかってきた。その際、電話の主は事件について詳細にわたって説明し、次はバスの運転手を殺すと発言した。ホーソーンの調査の後、オーシャンサイド警察はデービス殺害とゾディアック事件との関係性を調査しているという声明を出した。 2018年5月、バレーホ警察はゾディアックが送った手紙の切手の裏側からゾディアックのDNAを回収することを計画していると公表した。DNA鑑定は民間の研究所で実施され、GEDmatch(英語版)に対するDNAの確認を行う予定であるとされた.。「黄金州の殺人鬼」ジョセフ・ジェームズ・ディアンジェロの捜査でDNA鑑定が活躍したようにゾディアックの正体が判明することが期待された。2018年5月、バレーホ警察の刑事が結果は数週間以内に出ると説明していた。しかし、2022年4月現在、DNA鑑定の結果は報告されていない。 2021年10月、「ケース・ブレーカーズ」(英: Case Breakers) という40名以上の元法執行機関捜査官、軍部情報機関職員、記者で構成される集団が、ゾディアックの正体が2018年に死亡したゲアリー・フランシス・ポステ (英: Gary Francis Poste) であることを突き止めたと発表した。ケース・ブレーカーズは、科学的な証拠を明らかにし、ポステの暗室から写真を発見したと主張し、ポステの額にある傷がゾディアックのそれと一致していると説明した。また、ゾディアックの暗号のうちの1つからポステの名前を構成する文字を消すと、別のメッセージが現れるとも主張した。ケース・ブレーカーズはゾディアックのDNAとポステのDNAが一致するか確認することを警察に求めた。その後、FBIは、事件の捜査は続いており、報告すべき新しい情報はないという声明を出した。地元の法執行機関はケース・ブレーカーズの発見に懐疑的な見解を表明した。リバーサイド警察のライアン・レールズバック (英: Ryan Railsback) は、ケース・ブレーカーズの主張は主として状況証拠に依拠していると発言した。ゾディアック研究家でもある著述家のトム・ボイト (英: Tom Voigt) は、ケース・ブレーカーズの主張はでたらめであると批判し、ゾディアック事件の目撃者は誰もゾディアックの額に傷があるとは証言していないと発言した。
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