2012年夏季の電力危機
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「東日本大震災による電力危機」の記事における「2012年夏季の電力危機」の解説
福島第一原子力発電所事故に伴う安全性担保の問題から日本各地の原子力発電所の再稼働が留保されており、安全確認中であるものの、現段階で再開のめどは立っていない。2012年5月5日には泊原子力発電所3号機の停止により、1970年以来42年ぶりに日本の国内の全ての原子力発電所が停止した。 仮に原発再稼働がない場合、2012年夏季の電力供給は2011年夏季よりも減少する地区がある。東京電力では同年8月末の供給力が5,193万kW(2011年7月27日経済産業省発表)、東北電力では同1,485万kW(同)、北海道電力では同474万kW(同)、中部電力では同2,750万kW(同)、関西電力では同2,533万kWなどとなっていて(同)、原発依存度の高い管内では関西電力の2割を筆頭に大きく低下する見込み。これに対して主に火力で供給を補う動きが各社で見られており、東北電力では火力復旧や緊急増設により2011年夏に比べて310万kWの増強を予定している。 需要予測と供給予測の検討が進められる中、2012年夏季についても関西電力、北海道電力、九州電力の各管内で供給不足が予想されるため、節電要請を行う可能性があると2012年5月上旬に報じられた。 経済産業省は5月18日に節電要請の内容を発表した。沖縄電力を除く各社管内に「一般的節電要請」として7月2日 - 9月28日(土・日・祝日・お盆休み除く)の9:00 - 20:00の節電を呼び掛けるとともに、以下の目標を設定した。 電力会社 要請日 実施期間 実施時間 削減目標値 法的強制力 備考 関西電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 15% 無 大飯原子力発電所の再稼動によって変更の場合あり 九州電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 10% 無 北海道電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 7% 無 四国電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 7% 無 中部電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 7% 無 北陸電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 7% 無 中国電力 5月18日 7月2日 - 9月7日(土・日・祝日・お盆休み除く) 9:00 - 20:00 7% 無 東京電力 5月18日 設定なし 設定なし 設定なし 無 東北電力 5月18日 設定なし 設定なし 設定なし 無 沖縄電力 節電要請なし 大飯発電所の再稼働を受けて関西と四国で目標が緩和、中部・北陸・中国で目標設定「なし」に緩和されると報じられているが、正式には出力が回復したあとに見直しを行う見込み。
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