2010年代の定義の試み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/07 13:06 UTC 版)
「アートプロジェクト」の記事における「2010年代の定義の試み」の解説
加治屋健司は美術史の立場からその変遷を追い「オブジェとして作品を制作することよりも、制作するプロセスを重視した試みであり、同時に、美術館の外に出るだけでなく、社会的な文脈へと接続・介入していこうとする企てを意味している」と特徴を述べた。 吉澤弥生は、アートプロジェクトの特徴を「作家の単純作業から、多様な参加者による共同制作=協働となる」「パーマネントの作品だけではなく、仮設の作品やワークショップを行う」「制作プロセスそのものやその固有性を重視する」とまとめた。 さらに、熊倉純子らは研究会を通じて様々な事例の要素を抽出し、定義を行った。「作品展示にとどまらず、同時代の社会の中に入り込んで、個別の社会的事象と関わりながら展開される」ものし「既存の回路とは異なる接続/接触のきっかけとなることで、新たな芸術的/社会的文脈創出する活動」とした。 吉澤や熊倉の定義を受け、宮本結佳は今日のアートプロジェクト興隆の理由を「作家が社会との関わりを求め美術を飛びだすオフ・ミュージアムの傾向」と「地域社会における固有の文化を生かしたまちづくり・地域づくりへの関心の高まり」、そして「地方行政における文化支出の重点がハードからソフトへ移っていく傾向」の2つが交錯する形で「場所に固有なアートプロジェクトを通じた地域づくり」が模索されるようになったと論じる。
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