2次元系とは? わかりやすく解説

2次元系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/02 02:42 UTC 版)

リミットサイクル」の記事における「2次元系」の解説

微分方程式系 x ˙ = x − y − x ( x 2 + y 2 ) {\displaystyle {\dot {x}}=x-y-x(x^{2}+y^{2})} , y ˙ = x + y − y ( x 2 + y 2 ) {\displaystyle {\dot {y}}=x+y-y(x^{2}+y^{2})} の方向場。原点を除く全ての軌道回転しながら単位円の閉軌道漸近する。 リミットサイクル現れる簡単な微分方程式系の例として、 x ˙ = x − y − x ( x 2 + y 2 ) , y ˙ = x + y − y ( x 2 + y 2 ) {\displaystyle {\begin{aligned}{\dot {x}}&=x-y-x(x^{2}+y^{2}),\\{\dot {y}}&=x+y-y(x^{2}+y^{2})\end{aligned}}} という2次元系がある。この系を極座標表せば、 r ˙ = r ( 1 − r 2 ) , θ ˙ = 1 {\displaystyle {\begin{aligned}{\dot {r}}&=r(1-r^{2}),\\{\dot {\theta }}&=1\end{aligned}}} となり、動径 r と偏角 θ の振る舞い互いに無関係に決まる単純な形となる。θ(t)一般解一定振動数回転し続け関数となる。r(t)一般解は r ( t ) = r 0 r 0 2 + ( 1 − r 0 2 ) e − 2 t {\displaystyle r(t)={\frac {r_{0}}{\sqrt {r_{0}^{2}+(1-r_{0}^{2})e^{-2t}}}}} という関数となる。ここで、r0t = 0 における r の値である。よって、r0 ≠ 0 であれば、r(t) は t → ∞ で r → 1 であり、系の原点を除く全ての軌道回転しながら単位円に近づいていくこととなる。この結果は、明示的な一般解を必要としない簡易な安定判別によっても得られる。よって、原点中心とする単位円がこの系の安定リミットサイクルである。 上記微分方程式系にパラメータ a を与えた r ˙ = r ( a − r 2 ) , θ ˙ = 1 {\displaystyle {\begin{aligned}{\dot {r}}&=r(a-r^{2}),\\{\dot {\theta }}&=1\end{aligned}}} では、a > 0 であれば半径 √a の円が上記同様に安定リミットサイクルである。しかし a < 0 のときは、全ての軌道は原点に収束する。a = 0 のときも、代数的なオーダーの速さだが全ての軌道は原点に収束する。a > 0 になったときに、原点は不安定となり、原点周囲安定リミットサイクル発生する。よって、この系では a = 0ホップ分岐起きている。 上記解析解を得ることができる例だが、ほとんどの非線形微分方程式系は解析的に解くことはできない非線形振動現象代表的な例であり、なおかつ実際現象由来する二階非線形微分方程式として、バルタザール・ファン・デル・ポールが三極真空管発振回路で起こる自励振動解明するために導いたファン・デル・ポール方程式がある。2次元微分方程式系の形では、ファン・デル・ポール方程式は x ˙ = y , y ˙ = μ ( 1 − x 2 ) y − x {\displaystyle {\begin{aligned}{\dot {x}}&=y,\\{\dot {y}}&=\mu (1-x^{2})y-x\end{aligned}}} として表される。ここで μ > 0 がパラメータである。 上記の例と異なり、このファン・デル・ポール方程式の解は初等関数で表すことができない。しかし上記の例と同様に原点周りリミットサイクル存在し初期値原点を取る場合除いて全ての軌道リミットサイクル収束する。この証明ポアンカレ写像構成する手法で行うことができる。あるいは、ファン・デル・ポール方程式リエナール方程式1種であることから、リエナールの定理よりファン・デル・ポール方程式系の相平面上には唯一の安定リミットサイクル存在することがわかる。 ファン・デル・ポール方程式リミットサイクルは μ の値によってその形状変化する。μ が小さいほど、リミットサイクル円軌道近づく。μ が大きいほど形状円か離れていき、μ が大きいほど第1象限第3象限で背が高くなる。このとき、時系列では弛張振動様相示し緩やかな変化急な変化組み合わせから成る振動現象起きている。

※この「2次元系」の解説は、「リミットサイクル」の解説の一部です。
「2次元系」を含む「リミットサイクル」の記事については、「リミットサイクル」の概要を参照ください。

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