2次元漸化式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:24 UTC 版)
n-次元球体と (n − 2)-次元球体の間の体積の漸化式の証明は、上記の比例式と円筒座標系における積分を用いて与えられる。球の中心を通る平面を固定する。r を球面の中心と平面上の点との距離とし、θ を方位角とする。n-次元球体と、半径と方位角を固定して定まる (n − 2)-次元平面とを交わらせれば、半径 √R2 − r2 の (n − 2)-次元球体が与えられる。球の体積は、従って (n − 2)-次元球体の体積の、取りうる半径および方位角に亘る逐次積分 V n ( R ) = ∫ 0 2 π ∫ 0 R V n − 2 ( R 2 − r 2 ) r d r d θ {\displaystyle V_{n}(R)=\int _{0}^{2\pi }\int _{0}^{R}V_{n-2}({\sqrt {R^{2}-r^{2}}})\,r\,dr\,d\theta } として書くことができ、この方位角座標に関する積分は直ちに計算できる。比例関係を適用することで、この体積が V n ( R ) = ( 2 π ) V n − 2 ( R ) ∫ 0 R ( 1 − ( r / R ) 2 ) ( n − 2 ) / 2 r d r {\displaystyle V_{n}(R)=(2\pi )V_{n-2}(R)\int _{0}^{R}(1-(r/R)^{2})^{(n-2)/2}\,r\,dr} に等しいことが示される。u = 1 − (r/R)2 と置換することによって積分を評価することができ、 V n ( R ) = ( 2 π ) V n − 2 ( R ) ( − R 2 n ( 1 − ( r / R ) 2 ) n / 2 ) | r = 0 r = R = 2 π R 2 n V n − 2 ( R ) {\displaystyle {\begin{aligned}V_{n}(R)&=(2\pi )V_{n-2}(R)(-{\tfrac {R^{2}}{n}}(1-(r/R)^{2})^{n/2}){\bigg |}_{r=0}^{r=R}\\&={\frac {2\pi R^{2}}{n}}V_{n-2}(R)\end{aligned}}} を得る。これが2次元漸化式である。 体積公式の帰納法による証明に同じ手法を用いることができる。帰納法の基底段階は 0-次元球体と 1-次元球体であり、ここで Γ(1) = 1 と Γ(3/2) = (1/2)Γ(1/2) = √π/2 という事実を用いて簡単に直接確認できる。再帰段階は上記と同様であるが、(n − 2)-次元球体の体積に比例関係を適用する代わりに、帰納法の仮定が適用される。
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