1次元漸化式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:24 UTC 版)
比例関係は n-次元球体と (n − 1)-次元球体の体積の関係に関する漸化式の証明にも使われる。比例式の証明の際に見たように、n-次元球の体積は (n − 1)-次元球体の体積の積分として書くことができる。置換の代わりに、比例関係を被積分関数に現れる (n − 1)-次元球体の体積に適用し、 V n ( R ) = V n − 1 ( R ) ∫ − R R ( 1 − ( x / R ) 2 ) ( n − 1 ) / 2 d x {\displaystyle V_{n}(R)=V_{n-1}(R)\int _{-R}^{R}(1-(x/R)^{2})^{(n-1)/2}\,dx} を得る。被積分関数は偶関数であるため、対称性によって積分区間を [0, R] に制限することができる。区間 [0, R] 上で u = (x/R)2 なる置換を適用することができるから、式は V n − 1 ( R ) R ∫ 0 1 ( 1 − u ) ( n − 1 ) / 2 u − 1 / 2 d u {\displaystyle V_{n-1}(R)R\int _{0}^{1}(1-u)^{(n-1)/2}u^{-1/2}\,du} と書き換えられる。この積分はベータ関数 Β(x) と呼ばれるよく知られた特殊関数のある値に等しく、求める体積はベータ関数を用いて V n ( R ) = V n − 1 ( R ) R B ( n + 1 2 , 1 2 ) {\displaystyle V_{n}(R)=V_{n-1}(R)R\,\mathrm {B} ({\tfrac {n+1}{2}},{\tfrac {1}{2}})} となる。階乗と二項係数との関係とほぼ同じ意味で、ベータ関数はガンマ関数を用いて表されるから、その関係式を適用して V n ( R ) = V n − 1 ( R ) R Γ ( n + 1 2 ) Γ ( 1 2 ) Γ ( n 2 + 1 ) {\displaystyle V_{n}(R)=V_{n-1}(R)R{\frac {\Gamma ({\frac {n+1}{2}})\Gamma ({\frac {1}{2}})}{\Gamma ({\frac {n}{2}}+1)}}} が得られる。値 Γ(1/2) = √π を用いて1次元漸化式 V n ( R ) = R π Γ ( n + 1 2 ) Γ ( n 2 + 1 ) V n − 1 ( R ) {\displaystyle V_{n}(R)=R{\sqrt {\pi }}{\frac {\Gamma ({\frac {n+1}{2}})}{\Gamma ({\frac {n}{2}}+1)}}V_{n-1}(R)} が得られる。 2次元漸化式と同様に、体積公式の帰納法による証明を得るために同じ手法を使用することができる。
※この「1次元漸化式」の解説は、「超球の体積」の解説の一部です。
「1次元漸化式」を含む「超球の体積」の記事については、「超球の体積」の概要を参照ください。
- 1次元漸化式のページへのリンク