じれい‐しんどう【自励振動】
自励振動
自励振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 15:57 UTC 版)
自励振動(じれいしんどう、英: self-excited vibration, self-induced vibration)とは、ある系に非振動的な入力のみが加わる場合でも、その系自体の特性により系内部で非振動入力が振動に変換されて引き起こされる振動現象のことである[1]。
実際に起きた事故として有名なものに、タコマナローズ橋の崩落事故がある。
発生原理
自励振動を発生させる基本原理は以下の3つである[1]。
- 非振動的エネルギーが与えられる場にあること
- 非振動エネルギーを励振力に変える機構・特性を系が有していること
- 初期外乱が与えられること
自励振動の特徴として、一旦発生するとその特性から振動が継続するが、発生しない平衡状態にあるときは全く振動しないという特徴がある[2]。自励振動を防ぐ場合の対策は、具体的には個々の対象物の制約条件により決まるが、上記の発生条件を無くす・変えること、あるいは適切な減衰を加えることなどである。
自励振動系の典型例は減衰力の符号が負となった形で与えられるもので[1]、減衰力が速度と同じ向きに作用することで、通常の減衰力とは異なり、時間の経過と共に振動系にエネルギを流入させていくこととなる[3]。このような減衰力を負性抵抗[4]、負の減衰力[3]などと呼ぶ。1自由度のばね-質量-ダンパー系で負性抵抗を持つ場合を考えると以下の運動方程式で与えられる。
自励振動と同じ種類の言葉
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