2ストロークディーゼル機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:23 UTC 版)
「2ストローク機関」の記事における「2ストロークディーゼル機関」の解説
詳細は「複動式機関」を参照 ディーゼル機関ではガソリン機関のように火炎伝播の限界によるボアの限界がないため、気筒容積の拡大だけで大型化できる。またガソリン機関に比べ、熱効率が高く、多種類の燃料を使用することが可能である。 大型の2ストロークディーゼル機関は自動車などに搭載されるレシプロエンジンのように、ピストンの上死点のみで爆発が起こる単動式(シングルアクティング)のほか、レシプロ式蒸気機関のようにピストンの下死点側でも爆発を起こすか(低速型機関)、2つのピストンを対向配置して1つの爆発で2つのピストンを同時に動かす事で効率を単動式より高める1気筒2ピストン式(対向ピストン式)の複動式(ダブルアクティング)が存在するが、各種の複動式は単動式に比した場合の構造複雑化がデメリットとなり、高速型、低速型とも後年に至る主流とはならなかった。 1930年代末にアメリカ合衆国で実用化の進んだ2ストロークユニフロー掃気式の中・高速ディーゼル機関は、軽量で高出力であったことから、4ストロークエンジンに伍して普及したが、燃費や騒音面での不利、排出ガス浄化対策の難などから、自動車用の高速エンジンは過給器を備えた4ストローク高速ディーゼル機関に主流を取って代わられた。 2ストロークディーゼル機関が21世紀初頭まで長期にわたって最も成功しているのは、船舶用低速ディーゼル機関の分野であり、この種の動力機関の主流となっている。過給器との併用により熱効率は通常40%を超え、一部の大型低速機関では50%を超えるものもある。ただし燃焼行程を経ないためにカルノー効率に支配されない高温作動燃料電池の効率には劣る。
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