2つのアルヒ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/20 18:30 UTC 版)
いずれのアルヒも蒸留酒であるが、その原材料により2種類に大別される。ひとつは家畜乳由来のアルヒでシミーン・アルヒと呼ばれ、もうひとつは穀物由来のアルヒでツァガーン・アルヒと呼ばれるものである。 シミーン・アルヒ(шимийн архи、ᠰᠢᠮᠡ ᠶᠢᠨᠠᠷᠢᠬᠢ) アラックの流れをくむ蒸留酒で、地方の遊牧民がもっぱら自家用に作っていたものである。 アルヒはヤギ、ヒツジ、ウシの乳を発酵させた酸乳を蒸留し作られる。15リットルの酸乳からアルコール度数7パーセント程度のアルヒが3リットル程度得られるが、原料の乳の種類や作り方によって色味や品質は様々である。普通は一度の蒸留で飲まれるが、より質を高めるために再蒸留することもある。風味はほんのりと乳臭い。 大量の原料乳が必要であり、その他にも蒸留のために大量の燃料(家畜の糞。モンゴルでは木材が手に入りにくいため、木材はめったに燃やさない。)と水を必要とする。そのため収量も少なく稀少品の範疇に入る。観光客が口にできる機会は殆ど無かったが、近年、企業ベースでの製造、販売が始まった。企業が作るアルヒはアルコール度数が20-40度と高く、専ら中国の都市部で消費されている。 ツァガーン・アルヒ(цагаан архи、ᠴᠠᠭᠠᠭᠠᠨᠠᠷᠢᠬᠢ) 当時のソビエト(ロシア)から輸入されるウォッカに対抗して、モンゴル国内で製造されるようになったアルヒ。ツァガーンは「白」を意味する。地方の町や首都ではごく普通に購入出来る。単に「アルヒ」と言う場合は、このツァガーン・アルヒのことを指す。
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