1998年以前のSound Blasterシリーズ
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「Sound Blaster」の記事における「1998年以前のSound Blasterシリーズ」の解説
最初のSound Blaster (Sound Blaster 1.0) は1989年に登場した。このサウンドカードは、当時デファクトスタンダードであったAd Lib(英語版)社のサウンドカード(FM音源)との互換性を保ちつつ、モノラルのPCM音源(8ビット、22kHz)、ゲームポート(MIDIポート兼用)をさらに備えたISAバス用カードであった。Sound BlasterはAd Lib社のカードと同程度の価格(あるいはより低価格)で提供されたため、ヒット商品となった。 1991年には、FM音源及びPCM音源をステレオ化したSound Blaster Proが登場する。Sound Blaster ProはPC互換機におけるデファクトスタンダードとなり、以降登場するDOSゲームのほとんどがSound Blaster Proに対応するようになった。なお、Sound Blasterにシェアを奪われたAd Lib社は1992年に倒産した。 また、Sound Blaster Proには内蔵ドライブを接続するためのコネクタを備えており、パナソニック製のCD-ROMドライブを接続することができるようになっていた。つまり、この時代のSound Blasterは、サウンドカード、ジョイスティックカード、MIDIカード、CD-ROM接続カードの4つの機能を兼ね備えていたことになる。 このSound Blaster ProにさらにCD品質のPCM音源を追加したSound Blaster 16が1992年に登場する。Sound Blaster 16では、MIDI部分がデファクトスタンダードだったローランドのMPU-401互換(ただしUARTモードのみ)となった他、ウェーブテーブル音源用のドーターボードを取り付ける為のコネクタを有するようになった。その後、1994年にはE-Mu社の音源モジュールを内蔵したSound Blaster AWE32が、1996年にはその後継品であるSound Blaster AWE64がそれぞれ登場している。 上記のようにDOS時代にデファクトスタンダードとなったSound Blasterシリーズであったが、ここまでの製品はすべてレガシーであるISAバス用のカードであり、(主としてDOS用ゲームにおける互換性の問題から)PCIバス用に対応できない状態が続いていた。クリエイティブテクノロジーは、PCI版のSound Blaster Pro互換カードを製造していたEnsoniq社を1998年に買収することでこの問題を解決した。クリエイティブテクノロジーは、Ensoniq社の開発したチップを実装したサウンドカードを「Sound Blaster PCI」として市場に投入した。同年に登場するSound Blaster Live!もまた、Ensoniq社のエミュレーション技術を利用しており、DOS上ではSound Blaster Pro互換として動作することが可能である(Audigy 2まではゲームポートも残されている)。
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