1940年: カーネギー・ホールでのデモンストレーション
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「ステレオ」の記事における「1940年: カーネギー・ホールでのデモンストレーション」の解説
1940年4月9日と10日にベル研究所がカーネギー・ホールで行ったデモンストレーションは、3台の大型スピーカーシステムを使用した。映画用フィルムに3つのサウンドトラックの形で録音することで3チャンネルの同期を達成している。ダイナミックレンジが制限されているため、音量圧縮技法が使われ、第4のトラックを音量伸長の調節に使用した。1970年代のドルビーノイズリダクションシステムも基本は似たような技法だが、はるかに洗練されている。音量圧縮と伸長は完全自動ではなく、手動で音質を改善させることを意図して設計してあった。すなわち、全体の音量と各トラックの相対音量を芸術的感性で調節可能だった。音響技術に興味を持っていたレオポルド・ストコフスキーの指揮でフィラデルフィア管弦楽団の演奏を録音した。ストコフスキー自身も録音の「改善」に参加した。 スピーカーは合計で1500ワットの音声出力であり、100デシベルの音声レベルを生成した。デモンストレーションの模様を報じた記事によれば、観客は「魅了され、時には大いに恐れた」という。デモンストレーションを聴いたセルゲイ・ラフマニノフは、「驚くべきものだった」と述べたが、同時に「余りにも音量が大きすぎて、なんとなく音楽的ではなかった」とも述べている。また、「『展覧会の絵』は、あまりにも『改善』され、あまりにもストコフスキー的だったため、よくよく聴くまで曲名がわからなかった」とも述べている。
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