鼠志野亀甲文茶碗(山端)
主名称: | 鼠志野亀甲文茶碗(山端) |
指定番号: | 2605 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2002.06.26(平成14.06.26) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 桃山 |
年代: | 16世紀 |
検索年代: | |
解説文: | 本茶碗は轆轤で挽いた後に作為的に歪ませ篦で削って成形し、桃山時代の茶陶ならではの量感あふれる形姿を見せる。胴の亀甲文はくっきりと描き出され、それに続く檜垣文は細く太く巧みな変化を見せ、内面底部の文様も、檜垣文を太く大きく、他方の草文は細く小さく対照的にほどよく描かれる。鬼板下地が薄いためか鼠色の色調がやや淡いものとなるが、鼠志野ならではの微妙な色合いを醸し出し見事な釉景色を作り出す。なお「山端」の銘は、淡い鼠色を呈する釉調と山道状の口造りからの命名とみられる。 本作品は、創意あふれた形姿に、亀甲文や檜垣文が見事に調和し、既指定の重要文化財・鼠志野亀甲文茶碗(峰紅葉)(五島美術館蔵)とともに鼠志野茶碗の双璧とされる。「峰紅葉」が力強い豪放な作行を示すのに対し、本茶碗は優美で温雅な作行をなし、鼠志野茶碗の代表作として価値が高い。 |
鼠志野亀甲文茶碗(峰紅葉)
主名称: | 鼠志野亀甲文茶碗(峰紅葉) |
指定番号: | 2544 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1993.01.20(平成5.01.20) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 桃山 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 桃山時代後期から江戸時代初期にかけて美濃で焼かれた鼠志野の作品である。鼠志野は下地【したじ】に掛けた鬼板【おにいた】(鉄銹)【てつさび】を篦彫【へらぼ】りし長石釉【ちようせきゆう】を施して文様を表す独特の技法によるものである。 轆轤【ろくろ】で挽【ひ】いた後に作為的にひずませ篦で削って成形し、量感あふれる力強い形姿【けいし】をみせるが、その手取りは意外に軽い。胴の一方にくっきりと描かれた亀甲文は、山道状の口縁に沿って一列に配されて見込みの檜垣【ひがき】文と対置された亀甲文へと巧みに続き、また他方の一見無造作に描かれたかに見える檜垣文も均衡を保ちながらほどよく配されている。 さらに下地の鬼板と長石釉の重なりは微妙な色合いを醸し出し、見事な景色【けしき】を織りなしている。「峰紅葉」の銘も、この景色と山道状の口造りからの命名と見られる。 創意にあふれた形姿、変化の妙を見せる景色を有する鼠志野作例中の優品である。 |
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