鬱 (アルバム)とは? わかりやすく解説

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鬱 (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/09 09:05 UTC 版)

『鬱』
ピンク・フロイドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1986年10月-1987年1月
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル EMI
コロムビア
プロデュース デヴィッド・ギルモア & ボブ・エズリン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 3位(英国・オフィシャルチャート)
  • 3位(米国・ビルボードチャート
  • 23位(日本・オリコンチャート
  • ゴールドディスク
  • 400万枚(米国・RIAA
  • ピンク・フロイド アルバム 年表
    ファイナル・カット
    1983年

    (1987年)
    光〜PERFECT LIVE!
    1988年
    『鬱』収録のシングル
    1. 幻の翼
      リリース: 1987年9月14日
    2. 「理性喪失(One Slip)」
      リリース: 1988年6月13日
    ミュージックビデオ
    「Learning To Fly」 - YouTube
    テンプレートを表示

    』(うつ、A Momentary Lapse of Reason)は、1987年に発表されたピンク・フロイドアルバムロジャー・ウォーターズ脱退とバンド再始動をめぐる裁判を経て発売された。新生フロイドの第一弾アルバムとして、大きな注目を集めた作品である。邦題表記は2009年スペシャルプライス盤から『モメンタリー・ラプス・オブ・リーズン』に変更された。原題の意味は「一時的な理性喪失」。

    活動再開までの道

    前作『ファイナル・カット』発表後の1985年、ウォーターズが正式にピンク・フロイドを脱退。デヴィッド・ギルモアニック・メイスンはバンドの存続を表明。新作のレコーディングに入ることを発表した。

    しかし、自分自身こそがピンク・フロイドであると考えていたウォーターズはそのことを認めず、「ピンク・フロイド」という名称を使用しないよう訴え、裁判を起こした。結局は、フロイド側がウォーターズ側に対して使用料を支払うこと、『ザ・ウォール』の権利をウォーターズ側が独占的に保有することなどを条件として和解し、ギルモア主導の形でピンク・フロイドが始動することになった。

    アルバム概要

    ピンク・フロイド名義ではあるが、多くのサポート・ミュージシャンが参加して制作された。主な顔ぶれは、トニー・レヴィンベース)、カーマイン・アピス(ドラム)、ジム・ケルトナー(ドラム)などである。それまでの大作主義やコンセプト思考は捨て、いずれもコンパクトな楽曲が並んでいる。音楽的には1970年代のようなプログレッシブ・ロックへのアプローチを主体とするが、同時代的なサウンドとの折衷もみられる。また、プロデューサーとして名を連ねているボブ・エズリンと『ザ・ウォール』(1979年)以来のタッグを組んでおり、新生フロイドのサウンド・メイキングに貢献している。

    作詞を担当していたウォーターズがいなくなり、バンドのリーダーとなったギルモアが詞も書くことになったが、それまで詞をあまり書いてこなかったので大いに苦労したという。作詞に関してはロジャーに似たシニカルで批判的な詩作を行うアンソニー・ムーア(元スラップ・ハッピー)の協力を仰ぐことで解決した。

    この時点ではデヴィッド・ギルモアとニック・メイスンの2人がバンドの正式なメンバーだった。リチャード・ライトはサポート・ミュージシャン名義でツアーに参加している。当時は否定したものの、後にギルモアは当時メイスンとライトはレコーディングではほとんど演奏しておらず、自分と参加したミュージシャンの演奏によるものだと認めている。

    アルバム・ジャケット

    このアルバムからストーム・ソーガソンヒプノシス)がピンク・フロイドのジャケット・デザインに復帰。ジャケットの「ベッドの川」は、CGではなく実際に700以上のベッドをイギリスのデボン州ソーントン・サンドの海岸に並べたものである。

    ソーガソンによると、ようやく大量のベッドを並び終えたと思ったら雨が降り出し、慌ててベッドを回収して、もう一度並べ直すはめになったという。このときのことを振り返り「悪夢だったよ」と話している。

    評価

    ギルモア主導のフロイドに対して、ロジャー・ウォーターズはこのアルバムを「非常に精巧に作られたピンク・フロイド贋作」と切り捨てた。ローリング・ストーン誌など、否定的に捉えるメディアも多かった。

    しかし、アルバムは全英・全米3位という大ヒットを記録した。アルバム発表後のワールド・ツアーも成功を収め(後にライブ盤とビデオも発売)、好評だったことから追加公演が決定し、1989年までロング・ツアーを行った。また、1988年には3度目の来日公演を果たしている。現在のところ、ピンク・フロイドとしては最後の日本公演となっている。

    収録トラック

    CD
    # タイトル 作詞・作曲 時間
    1. 「生命の動向(Signs Of Life)」(Instrumental) GilmourEzrin
    2. 幻の翼(Learning To Fly)」 Gilmour、Moore、Ezrin、Carin
    3. 「戦争の犬たち(The Dogs Of War)」 Gilmour、Moore
    4. 「理性喪失(One Slip)」(Instrumental) Gilmour、Manzanera
    5. 「現実との差異(On The Turning Away)」 Gilmour、Moore
    6. 「空虚なスクリーン(Yet Another Movie)」 Gilmour、Leonard
    7. 「輪転(Round And Around)」 Gilmour
    8. 「ニュー・マシーン PART 1(A New Machine Part 1)」 Gilmour
    9. 「末梢神経の凍結(Terminal Frost)」 Gilmour
    10. 「ニュー・マシーン PART 2(A New Machine Part 2)」 Gilmour
    11. 「時のない世界(Sorrow)」 Gilmour
    合計時間:

    外部リンク


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