タカナ
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タカナ(高菜[2]、大芥菜、学名: Brassica juncea var. integrifolia)とはアブラナ科アブラナ属の越年草で、カラシナの変種。葉が大きく、20 - 60センチメートル (cm) ほどの草丈に成長する[2]。冬が旬の中国野菜で、近縁の野菜としてザーサイ、カツオナなどが知られる。原産地は中央アジア[2]。平安時代の『和名抄』に「タカナ」の記述が見られ、この頃には既に日本に伝来していたとみられる。本格的な導入は明治時代で中国から奈良県農事試験場(奈良農試)に種子が入り、その後は特に福岡県瀬高町(元、みやま市瀬高町)、和歌山県新宮市、山形県内陸部の3ケ所で栽培されるようになった[3]。このうち山形県では青菜(セイサイ)と呼ばれている[4]。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Brassica juncea (L.) Czern. var. integrifolia (West.) Sinsk. タカナ 標準”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月1日閲覧。
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- ^ 日下生和子, 吉田 穣(和歌山信愛女子短期大学教授)、湯崎真梨子(和歌山大学産学連携・研究支援センター教授)(編)、2014年3月28日、『地域食材活用スキル講座 Kumano☆食と農の学校 レシピ集』(PDF)、高等教育機関コンソーシアム和歌山 p. p.29 ,p.52
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- ^ a b “阿蘇たかな漬けとは?”. 阿蘇たかな漬協同組合. 2013年7月12日閲覧。
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- ^ a b c 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編 2011, p. 129.
- ^ “第17回 岩手県 岩手県の南部で受け継がれてきた「芭蕉菜漬け」”. 東海漬物. 2024年1月14日閲覧。
- ^ “食品監視センターだより(第240号)”. 仙台市食品監視センター. 2024年1月14日閲覧。
高菜漬
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タカナの美しい緑色を保つために袋詰めして冷凍加工している新高菜漬と、熟成中に乳酸発酵するべっ甲色で特有の香りのある古高菜漬に分けられる。新高菜漬はアリル辛子油を主体にしているのに対し、古高菜漬はフェノール類を主体にしており特有の香りがある。古高菜漬には製品化に際して流水による脱塩時間が長く低塩(4%程度)で古漬臭も低いものと、流水による脱塩時間が短く高塩(7%程度)で古漬臭の強いものがある。 細かく刻んだ状態の刻み高菜で売られていることも多く、昆布と混ぜた高菜昆布や胡麻と混ぜたゴマ高菜などがある。高菜漬を利用した料理には次のようなものがある。 高菜炒め 高菜チャーハン 高菜めし 和歌山県新宮市などでは高菜漬を刻まずに葉を広げておにぎりを包んだめはりずしも知られ、新高菜漬が使われるようになっている。めはりずしは新宮駅の名物駅弁であった(2013年終売)。 福岡県瀬高町は三池高菜の産地で主に古高菜漬が作られている。 高菜漬を鶏の水炊きに刻み入れ、煮込んだ鍋もある。高菜漬の酸味が強く出るため、ポン酢などにつけなくとも美味しく食べられる。唐辛子を加えて同様に漬け込んだ辛子高菜も福岡県や熊本県の名産品として人気がある。また明太子を加えて漬け込んだ明太高菜は、博多(福岡市)の名産品として知られる。 福岡県、熊本県で豚骨ラーメンを提供する店は、お好みでラーメンにトッピングできる唐辛子を利かせた油いための高菜漬を用意している店も多い。 なお、久住高菜や阿蘇高菜などを利用した漬物はカラシナの一族として「カラシ菜漬」に分類されることがある。 「カラシナ」を参照
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