餅のつき方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 20:23 UTC 版)
餅つきをする前に、杵の頭が欠けたり木片が餅に入るのを防ぐため、水を張った桶(おけ)の中に杵の頭を漬けて水分を含ませておく。木臼の場合はよく洗い、臼に水を張って水分を含ませておく。乾いた状態のまま杵でつくと臼が割れる場合がある。木臼や石臼を設置する際には杵でつく作業が行いやすいように高さを調整し、高く調整する必要がある場合には専用の木台などを用いて調整しておく。 もち米は水洗いし、6 - 8時間程度水に浸し、ザルに開けて水切りをする。 蒸し器の蒸篭(せいろ)に清潔なサラシやサラシより粗めの蒸し布を敷き、水切りしたもち米を開けて蒸し布でくるんだ後に蒸す。炊けた状態は「蟹の穴」と呼ばれる孔が表面に見えるか、箸を挿してもち米が付着しなければよいが、米の芯が残っていない赤飯程度の固さに炊けていればよい。蒸し器がない場合は炊飯器で「もち米」を選択して炊く。 炊けたもち米は、蒸し布に包んだまま臼の中にあけ、臼の外周に沿って杵の柄を腰に当てるか沿わせて体重をかけ、もち米を臼に圧し付ける。ヘラやしゃもじを用いて裏返し、まんべんなく手早く粘りを出すようにする。 ヘラやしゃもじで持ち上げたとき、もち米全体が一体になる程度に粘りが出始め、米の形が識別できるものと餅状になったものが混ざった状態になり、杵でついたときに蒸した米が飛散しない程度になったら、つき始めの目安とする。 杵でつき始めると、粘りが増すごとに杵と餅がくっつくため、手水(てみず)をする。手水とはあらかじめ桶に水を入れておき、手を水で濡らし餅の表面に水分を与えることである。蒸して数分しか経過していないため、表面は炊きたてのご飯と同じで相当に熱く、餅の表面を濡れた手のひらで叩く程度で良い。手水が多すぎると、餅をついている最中は柔らかいが、後で延ばしたり成形するときに固くなりやすく、保存中にカビが生えやすくなる。 つき終わった餅は、餅取り粉をまぶした板の上に置き、好みの形状に成形する。切餅であれば一定の大きさの伸し餅とした上で乾燥後に切り分け、丸餅であればつきたての餅を丸く成形した上で乾燥させる。 餅つきが終わった後の杵と臼はよく洗い、たわし等で表面の餅を必ず取り去る。
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