食料システムの革新
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:07 UTC 版)
国際連合は畜産や、食料システムが環境破壊への主な脅威となっており生産方法を改善する必要があるという報告をしている。食料システムは食料の生産、加工、流通、準備および消費に関連するすべての要素を含むシステムのことで、食料システムは全温室効果ガス排出量の21~最大37%を排出していると推定されている。この推定値には、農場内での農作物や家畜の活動からの9~14%の排出量と、森林破壊や泥炭地の劣化を含む土地利用や土地利用の変化からの5~14%の排出量と、5~10%はサプライチェーン活動によるものが含まれている。 食料システムからのGHG排出量を減らすために、食料ロスと廃棄物の削減やより持続可能な食事への移行といった食料システムにおける他の行動は、27億台の車を道路から撤去することに相当する12.5 GtのCO2を削減できると試算されている。全GHG排出量の8%を占める食料の損失と廃棄物を削減することは、年間4.5 GtのCO2削減、家畜の生産方法を改善し、家畜からのメタン排出を削減すれば年間最大1.44 GtのCO2を削減できるとされ、植物由来食品の割合を多くすることで年間最大8 GtのCO2を削減できる可能性があるとされる。植物由来食品に注目し、代替肉(プラントベースドミート)など代替食品を取り扱うフードテック企業も増加している。また、肉と同等のタンパク質とアミノ酸を含む昆虫食も環境に配慮した食品として注目されている。畜産についても、環境に配慮した畜産方法が模索され、2020年現在、天然の飼料素材のうち牛のルーメン(第一胃)菌叢に働きかけ、メタンを低減するものが世界各国で多数発見されている。これらは、メタンの早期対処法として評価されている。日本では、カシューナッツ殻液に含まれる希少 フェノール物質(アルキルフェノール)がメタン発生を20%低減することが発見されている。また、家畜の排せつ物から発生するメタンをバイオガスエネルギーに利用する試みも行われている。
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