食料を直接盗む
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 06:08 UTC 版)
ある動物が自分の食糧として確保したものを奪う例である。完全に奪い取る例もあれば、横から同時に摂食を行う「かすめ取り」をする例もある 典型的な例はグンカンドリとカツオドリに見られる。グンカンドリはカツオドリが餌を取って海から飛び上がってくると、それに空中で攻撃を仕掛け、カツオドリが餌を吐き出すとすかさずそれを空中で取り、食べてしまう。グンカンドリは自力で餌をとることもできるが、このような盗み行動を常習的に行っている。類似の例は、それほど頻繁ではなくとも多くの肉食動物の間でも見られる。 これは大型脊椎動物の間だけでなく、無脊椎動物でもみられる。たとえばハエトリグモ科のチャスジハエトリやアダンソンハエトリは人家に普通なもので、いずれも昆虫をよく捕食するが、互いに相手から獲物を盗む行動が知られ、多くの場合前者が後者から獲物を奪う。従ってチャスジがアダンソンを宿主とする労働寄生者となっている。 また潮間帯に生息するアッキガイ科の巻き貝であるシマレイシガイダマシは岩礁に固着するイガイ類などの貝殻に穴を開けて捕食するが、同所的に生息するウネレイシガイダマシやヒメヨウラクは同様な捕食法の他にシマレイシガイダマシに対する労働寄生を行う。前種は宿主が穴を開けたものを乗っ取ることで、後種は捕食されている貝に集まり、横から吸収しようとする「かすめとり」を行うことで、いずれも労働寄生をする。この2種の口吻は宿主に比べて太く、これは貝殻に素早く穴を開けるには不利であるが内容を素早く吸い込むには有利に働くとされ、労働寄生に向くものとなっている。
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