飛行機の飛行の原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:56 UTC 版)
「揚力」および「航空力学」も参照 簡単に言えば飛行機は、ジェットエンジンやプロペラ等を用いて前進することで、その翼に対して「対気速度」を得て、それにより自身の重量より大きな揚力を得ることで上昇する。水平飛行の時は飛行機の重さと揚力が釣り合っている場合である。 飛行機を支える揚力というのは、空気の流れの(あるいは風の)力の一種である。 静止した物体にある速さの風が当たる場合と、ある物体が同じ速さで反対方向に進む場合では、風の力の生じ方は変わらない。例えば静止した空気の中をジェット機が250m/sという速さで飛べば、250m/sという、ものすごい速さで風が前方から機体に当たってきている。風の力というのは風速の2乗に比例しており、台風の風速50-60m/sの風ですら家屋を破壊するような巨大な力を持っていることを思えば、ジェット機に働く風の力の大きさを想像できるようになる。翼の揚力は、同じ迎え角であると、速度の2乗に比例して増加する、また同一の速度であると、迎え角が大きくなるほど揚力は増加する。飛行機は、ある高さを保って水平飛行を続ける時は、揚力が重力とつりあい、かつ、推進装置の推力と飛行機全体に働く抗力がつりあうようにしなければならない。よって(水平に飛ぶ時は)、高速で飛ぶ時は迎え角を小さくし、低速で飛ぶ時は迎え角を大きくして、揚力と重力がつりあうように調整して飛んでいる。 なお、上記の説明だけだと、「翼の迎え角をどんどん大きくしてゆくと速度を落としても水平飛行可能」ということになるが、実際には迎え角がある限界に達した段階で失速という現象が起きる。よって飛行機には安全に飛行できる最小速度というものがあり、それを「最小速度」や「失速速度」と呼んでいる。それは例えば、ジェット輸送機だと一般に200-250 km/h程度になる。つまりこの場合、(かつての)新幹線の最高速度程度以上の速度は出さないと安全に飛べないのである。
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