顔面神経障害とは? わかりやすく解説

顔面神経障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 10:18 UTC 版)

顔面神経」の記事における「顔面神経障害」の解説

別名、顔面神経麻痺がんめんしんけいまひ)。末梢性顔面神経麻痺病変部位によって顔面筋運動麻痺知覚障害自律神経障害などを起こす。 鼓索神経分岐より末梢茎乳突孔付近での病変では顔面神経運動の完全麻痺が起きる。病変のある側で、額のしわ寄せできない、目をつぶれない、歯をむけない、口がすぼめない、また眼裂がひろがる、鼻唇溝(唇と頬の間にある溝)が浅くなる口角が下がるなどの症状見られる。患側では角膜反射消失するが、角膜感覚保たれる感覚三叉神経支配のため)。 膝神経節よりも末梢、鼓索神経分岐よりも中枢側に病変があると、上記症状加えて舌の前3分の2味覚障害され顎下腺および舌下腺分泌障害聴覚過敏が起こる。聴覚過敏は、アブミ骨筋麻痺によって耳小骨振動抑制できなくなり、患側で異常に大きな音に聞こえる。 膝神経節よりも中枢側に病変があると上記すべての症状加え涙腺分泌障害が起こる。この部分で完全麻痺が起こると、舌の前3分の2味覚永久に失われる事があるSVA線維再生できないためである。一方交感前線維は再生するが、その際しばしば誤った再生をすることがある障害前は顎下神経節向かっていた線維翼口蓋神経節向かって再生する事がある。この結果食事などの唾液腺刺激に対して涙が出てしまう現象がある(ワニの涙症候群)。膝神経節水痘・帯状疱疹ウイルスによって冒されるラムゼイ・ハント症候群では、耳痛外耳道耳介の水疱形成続いて上記のような症状現れる特発性末梢性顔面神経麻痺ベル麻痺運動成分のみが麻痺する疾患)の病因はほとんどわかっていないが、顔面神経管内での何らかの原因による神経の腫脹よるもの考えられている。 中枢性の顔面神経麻痺は、皮質延髄路や皮質網様体路など上位運動ニューロン病変で起こる。中枢性と末梢性顔面神経麻痺最大鑑別点は、中枢性の場合は額のしわ寄せ保持でき、眼輪筋麻痺程度が軽いことである。これは顔面神経のうち顔面の上半分表情筋だけは両側の大脳皮質支配されているため、一側の中枢病変があっても麻痺起こらないのである。そのため、顔面神経麻痺がある場合、額のしわ寄せができなければ鑑別診断の中から、大脳および中脳における脳梗塞などの脳血管障害はまず除外してよいことになるが、小脳橋角部から顔面神経運動に至るまでの間で脳血管障害起きた場合は、小脳橋角部膝神経節よりも中枢側に位置するため、額のしわ寄せができなくなる上に、前述したような末梢性顔面神経麻痺種々の症状発現し得る。ただし、この場合ウイルス感染はないため、ラムゼイ・ハント症候群みられる外耳道耳介の水疱形成生じない。また顔面神経には情動性支配というものがあり、経路未知であるが運動野とは別の中枢にも支配されているため、皮質延髄路の途中病変がある場合でも感情的刺激には反応して健側と同じよう表情筋動かせることがある

※この「顔面神経障害」の解説は、「顔面神経」の解説の一部です。
「顔面神経障害」を含む「顔面神経」の記事については、「顔面神経」の概要を参照ください。

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