非拘束民主党選挙人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 23:42 UTC 版)
「1960年アメリカ合衆国大統領選挙」の記事における「非拘束民主党選挙人」の解説
南部の多くの民主党員は、全国民主党の綱領にあった南部に住むアフリカ系アメリカ人の公民権と投票権の支持に反対していた。党員集会の前も後も、その州の選挙人候補者名簿には非拘束民主党選挙人を載せて、選挙の行方に影響を与えることを期待した。このような選挙人が存在すると、全国党大会で選ばれる大統領候補者に影響を与える可能性があり、選挙人投票で接戦となった場合に、その投票と引き換えに民主党あるいは共和党の大統領候補者のどちらかと取引を引き出せる位置付けになる可能性があった。 これらの目論見の大半は失敗した。アラバマ州では5人の忠実な選挙人と6人の非拘束選挙人を選ぶことになった。ミシシッピ州は忠実な選挙人の名簿と非拘束選挙人の名簿の2つを用意した。ルイジアナ州も2つの名簿を用意したが、非拘束選挙人の名簿には民主党という表示が出来なかった。ジョージア州はその民主党選挙人に対しケネディへの投票誓約から自由にしたが、人気のあるアーネスト・ヴァンダイヴァー知事は彼自身が選挙人候補者であり公然とケネディを推した。 全体では有権者の投票で14人の非拘束選挙人が選ばれた。ケネディを推す選挙人数が明らかに選挙人投票では過半数だったので、非拘束選挙人は結果に影響を及ぼせなかった。それでも彼等はケネディに投票しなかった。その代わりに保守派民主党員であるバージニア州選出アメリカ合衆国上院議員ハリー・F・バードに投票した。バードは候補者と宣言していなかったし、彼等の投票を求めてもいなかった(バードはオクラホマ州の造反選挙人からも1票獲得し、合計15票を得た)。 大統領選の結果 大統領候補者 出身州 党 得票数 得票率 選挙人得票数 副大統領候補者 出身州 選挙人得票数 ジョン・F・ケネディ マサチューセッツ州 民主党 34,220,984(a) 49.7% 303 リンドン・ジョンソン テキサス州 303 リチャード・ニクソン カリフォルニア州 共和党 34,108,157 49.5% 219 ヘンリー・カボット・ロッジJr. マサチューセッツ州 219 ハリー・F・バード バージニア州 - -(b) -(b) 15 ストロム・サーモンド サウスカロライナ州 14 バリー・ゴールドウォーター(c) アリゾナ州 1(c) 非拘束代議員 - 286,359 0.4% (d) - 0 オーバル・フォーバス バージニア州 全国州権党 44,984 0.1% 0 ジョン・G・クロムリンアラバマ州 0 チャールズ・サリバン ミシシッピ州 立憲党 18,162(e) 0.0% 0 メリット・カーティスカリフォルニア州 0 その他 - 216,982 0.3% 0 - 0 合計 68,895,628 100% 537(f) - 537 選出必要数 269 - 269 (a) この数字には問題がある。上記アラバマ州の一般選挙の項を参照。 (b) バードは候補者名簿に無かった。その選挙人票は非拘束民主党選挙人(複数)と、1人の造反選挙人のものだった。 (c) オクラホマ州の造反選挙人ヘンリー・D・アーウィンは、ニクソンとロッジに投票するはずだったが、候補者ではないバードに投票した。しかし、バードとストローム・サーモンドに投票した他の選挙人とは異なり、アーウィンはバードとバリー・ゴールドウォーターに投票した。 (d) ミシシッピ州では、非拘束民主党選挙人の名簿が勝利し、その8票をバードとサーモンドに投票した。(e) サリバンとカーテイスはテキサス州でのみ出馬した。ワシントン州では立憲党がカーテイスを大統領候補に、B・N・ミラーを副大統領候補に立て、1,401票を得た。 (f) 選挙人票は1956年の531から537に増えた。これは新しい州であるアラスカ州とハワイ州からそれぞれ上院議員2名と下院議員1名が追加されたためである(下院は一時的に定数が435名から437名に増やされ、1960年の国勢調査に拠って再配分され435名に戻された)。
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