非公式の推定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/16 04:36 UTC 版)
「中華人民共和国の軍事予算」の記事における「非公式の推定」の解説
外部による非公式の推定額は、中国政府の発表よりも大きいが、推定する組織によって異なる傾向がある。 多数の国際的な研究機関が、同じ期間について中国の軍事支出を推定した最初の年は2003年だった。[要出典]当時の為替レートで換算すると、SIPRI、RAND、CIA、DIAによる推定額は300億から650億ドルの間であった。購買力平価、つまり支出額の相対的な購買力ベースで比較すると、SIPRIの推定額は1400億ドル相当であった。このとき中国政府の公表した予算額は250億ドル以下であった。 2003年のランド研究所による推定額は、公式発表な数字より高かったが、DoDの計算よりは低かった。この計算では、2003年の中国の防衛支出額は推定の中間値において380億ドル、つまり中国のGDPの2.3%になると推定していた。この年、公式発表額は224億ドルだった。これでも中国の軍事支出は1997年から2003年の期間に倍増しており、イギリスや日本の水準に近づいていた。そして2003年から2005年までの間にも毎年10%以上伸び続けた。 2010年、アメリカ国防総省が議会に提出する中国の軍事力に関する年次報告書は、2009年の中国の実際の軍事支出を1,500億ドルと推定した。この年、SIPRIの推定は1,000億ドルで、公式発表よりは高かったが、国防総省の推定よりは低かった。 2011年の国際戦略研究所の報告は、今の支出増の傾向が継続するなら、中国は今後15年から20年でアメリカ合衆国と軍事的な対等状態を達成するだろうと述べている。 2012年のJane's Defence Forecast(英語版)は、中国の防衛予算は、2011年から2015年の間に、1198億ドルから2382億ドルまで増加すると推定している。これは他のアジア主要国の防衛予算の合計よりも大きくなる。2013年のアメリカ合衆国の推定防衛予算5254億ドルよりはまだ少ないが、アメリカの防衛支出はわずかに減少傾向である。 2017年に、雑誌ポピュラーメカニクスは、中国の年間軍事支出は2,000億ドル以上、そのGDPの約2%にあたると推定した。 2019年、西オーストラリア大学教授のピーター・ロバートソン(英: Peter Robertson)は、購買力平価ではなく通常の為替レートで計算してきたため中国の軍事能力を大きく過少評価してきたと主張し、購買力平価で計算すると中国の実際の軍事支出はアメリカ合衆国と同等の4550億ドル相当だと主張した。
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