電波以外の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 05:05 UTC 版)
詳細は「通信技術の歴史」を参照 史上初の瞬時に遠隔に情報を伝えられるシステムである有線電信ネットワークが誕生すると、今度は電線なしで電信信号を送信する方法が模索された。1830年代初頭に開発された電信線は、電信柱で支えられた電線で複数の電信局をつなぎ、テキストメッセージを1対1で送るシステムだった。メッセージを送信するには、ある電信局のオペレータが電鍵と呼ばれるスイッチを操作して、モールス符号でメッセージの綴りを示すパルス状の電流を発生させる。電鍵が押されると、電信線の回路が繋がり、電信線に接続された電池により電流が流れる。受信局では、電流のパルスが音響器(英語版)に流れ、クリック音が発生する。モールス符号を知っている受信局のオペレータは、クリック音をテキストに変換し、メッセージを書き留める。電線を2本使用しなくても良いように、電信回路内の電流の戻り経路として接地(アース)を使用した。 1860年代までには、電信が商業・外交・軍事の至急のメッセージを送るための標準的な方法となり、工業国は海底電信ケーブルで海を超えて電信を送ることを可能にした。しかし、遠隔地の電信局を結ぶ電信線の敷設と維持には非常に費用がかかり、また、海上の船などには電線が届かなかった。電線を使用せずにモールス符号の電気信号を別の場所に送信する方法を発見できれば、通信に革命をもたらすことになると、発明家たちは認識していた。 1887年に電波が発見され、1899年頃までに実用的な無線電信の送信機・受信機が開発されることで、この問題は解決することになる。しかし、それに先行する50年間、他の手段によって無線電信を達成するための、独創的だが最終的には失敗した実験が数多く行われた。
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