電子制御式キャブレター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 01:55 UTC 版)
「キャブレター」の記事における「電子制御式キャブレター」の解説
アメリカや日本では1980年代前半から、O2センサーの空燃比信号に合わせて、ECUによって制御される電子制御式キャブレター(ECC)が比較的安価なNA車を中心に広まった。 きっかけとなったのは、アメリカでのマスキー法の改正やCAFE(企業別平均燃費規制)の開始、および昭和53年排出ガス規制が1978年(昭和53年)に日本で施行されたことであった。それまでの排ガス浄化装置はペレット触媒に比べると高価で耐久性に劣り、排気効率が悪い方式(サーマルリアクターなど)が主流であった。日本では翌1979年(昭和54年)に省エネ法が制定され、自動車各社は三元触媒を基礎にO2センサーによるフィードバック制御を行う方式に転換し、燃費と排ガス対策を両立できるようになった。 ECCよりも以前に電子制御式燃料噴射装置(EFI)は登場していたが、ECCは既存のキャブレター仕様の部品構成を大きく変える必要がなく、インジェクターや燃料ポンプなどの高価な電子機器も必要ないため、EFIと比較して安価であった。また、ECUが故障しても走行不能には陥らないことも長所であった。ECCはこうした長所を背景に、1980年代の各国の排ガス規制に十分対応できたことから、廉価な車両を中心に幅広く採用された。しかし、1990年代中盤以降になると燃料噴射装置の価格が量産効果により大幅に低下し、排ガス規制も更に強化される傾向となったことから、こうした電子制御式キャブレターは現在では採用されなくなった。
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