電動機と発電機とを直結した電動発電機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 06:19 UTC 版)
「電動発電機」の記事における「電動機と発電機とを直結した電動発電機」の解説
電動機と発電機とを同軸で直結した電動発電機は、電力の変換を目的とする電力機器である。交流の周波数変換もしくは直流 - 交流の変換、あるいは直流の昇圧・降圧など、トランスでは変換できない電力変換で、かつ半導体素子ではその当時の技術的な限界から変換が難しかった時期によく使われた機器であるが、現在でも稼働している機器は多数存在する。主に変電所、工場、鉄道の電気車(電気機関車、電車)などで使われている機器である。なお、直流で電化された初期の電気鉄道の変電所などのように、大電流で交流から直流への変換を行う場合には、電動発電機より効率の高い「回転変流機」が用いられた。 変換元の電力を電動機に入力し、その回転運動を同軸上の発電機に伝達、発電し電気エネルギーに戻す。交流電力の周波数変換では交流電動機と交流発電機とで構成する。また、直流から交流を得るときは直流電動機と交流発電機とで、直流の電圧変換では直流電動機と直流発電機とで構成する。 変圧器が電圧の変換しかできないのに対し、電動発電機では機構上、電力で発電機を作動させて発電する形となるため、電動機と発電機の組み合わせ方によって電圧変換・周波数変換・直流 - 交流変換など様々な電力変換に対応できる点が特徴であり、構造も単純であるため古くから用いられてきた。 しかし電動発電機を利用した電力変換は効率が悪いため、半導体素子の進歩により、シリコン整流器、静止型周波数変換装置、インバータなど、用途にあわせた新しい電力変換方式が普及し、電動発電機はそれらに置き換えられている。 1980年代以前に製造された古い電気機関車や電車では、主制御器を駆動する電源として用いられ、旅客車では冷房装置や室内灯などのサービス電源装置としても広く使用されており、現役の装置も少なくない。 東海道新幹線では、全線60 Hz供給の為、東京電力から供給される50 Hzを60 Hzとして供給するための周波数変換変電所があり、そこでは数台の電動発電機(10極:12極 300 rpm)が稼働している。
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