集団墓地の探索
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 00:47 UTC 版)
タルサ人種虐殺調査委員会は、虐殺被害者が埋葬されたと思われる集団墓地を見つけるため、非破壊的な考古学探索を要請した。ニューブロック・パーク、オークローン墓地、ブッカー・T・ワシントン墓地の3か所が集団墓地のある可能性が高い場所として挙げられた。証言などを基にすると、初めの2か所では白人が黒人被害者を埋め、ブッカー・T・ワシントン墓地では黒人が黒人被害者を埋めた可能性が高いとした。また、ブッカー・T・ワシントン墓地は黒人専用墓地で、最も距離が離れていることから、そこに埋められた人は虐殺が収束した後に負傷から死亡した人ではないかと予測された。 1997年と1998年に集団墓地の地下探索が行われた。疑惑の地帯全体を探索は出来なかったものの、初期的な調査では集団墓地の痕跡は見られなかった。1999年には、オークローン墓地で白人が黒人を埋めているのを見たとの目撃証言が見つかり、地下探索レーダーと地質コアサンプリングを用いて調査が行われた。2000年には、集団墓地の痕跡が見つからなかったことが調査委員会に報告されている。被害者の遺体が市内の火葬場で焼却されたという噂もあったが、火葬場の処理能力などからで可能性が低いと結論づけられた。 2018年、虐殺から100周年を目前に、州の考古学者たちが、地中探索レーダーを用いてオークローン墓地の探索を再開したと報じられた。長年の「噂」となっている集団墓地について、G. T. バイナム市長は「殺人事件調査」と呼んだ。さらなる目撃証言をもとに、オクラホマ州の考古学調査は3つの異なる地下探索技術を用いてニューブロック・パーク、オークローン墓地、そしてケーンズと地元で呼ばれるアーカンソー川沿いの地区を探索した。しかし、ニューブロック・パークの探索においては、集団墓地を発見できず、探索を中止すると発表した。 2019年12月17日、法人類学者のチームがオークローン墓地とアーカンソー川沿いの地域に、人の手によって掘り起こされた痕跡を発見したと発表した。発表では、集団墓地の存在を示唆したが、証拠を得るにはさらなる地中探索と、発掘調査が必要だと記した。タルサ市は限定的な発掘調査を行う許可を出し、2020年4月には研究者チームによる探索が行われる予定であったが、世界的なCOVID-19の流行により延期された。
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