陸上での状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/18 04:06 UTC 版)
陸上では恐竜が全滅し、他の生物にも広範な影響があった。(ただし、アラモサウルスなどの一部の種が、その後もしばらく生き延びていた可能性が化石から示唆されている) 翼竜は白亜紀の終わりには数を減らしていたが、K-T境界で絶滅。 鳥類を除くすべての竜盤類と、鳥盤類が絶滅。 哺乳類の種の35%が消滅。特に中型犬以上の大きさの種はすべて絶滅した可能性が高い。 北アメリカの植物種の79%が絶滅。 エナンティオルニス類などの現生鳥類の姉妹群が絶滅。鳥類(新鳥類)は多様性を維持していた。ワニ類・カメ類・昆虫類も影響が少なかった。 K-T境界直後の陸上植物の特徴としてシダ類の異常な繁茂があげられる。地質時代の広範囲な植生状況を調べる手段として、堆積物中の花粉や胞子の化石を調べる方法がある。北アメリカにおける化石の研究では、白亜紀の花粉や胞子の化石中のシダ胞子の比率は約25%だったのが、K-T境界直後では96-99%がシダ胞子となっている。シダ類は噴火による溶岩や火山灰によってすべての植物が消滅した荒地に最初に繁茂することが確認されているが、K-T境界事件の直後に広がった荒地をシダ類が覆ったと想定されている。この顕著な現象はシダスパイク(英語版)と呼ばれ、K-T境界直後のプランクトンがいなくなった海中で堆積した複数の地層からも見つかっている。このことは広範囲にわたる地上の植生の荒廃と海洋の絶滅が同時に生起したことを意味する。 シダ類の優占した期間は短く、次に河畔林などを作る(荒地に適性のある)被子植物が繁茂し始めたが植物多様性の回復は遅れ、最終的に白亜紀レベルの多様性まで回復したのは約150万年後であった。
※この「陸上での状況」の解説は、「K-T境界」の解説の一部です。
「陸上での状況」を含む「K-T境界」の記事については、「K-T境界」の概要を参照ください。
- 陸上での状況のページへのリンク