防災の種類とマネジメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 04:45 UTC 版)
災害の防止策は大きく2つに分けられる。 被害抑止被害が生じないように講じる対策。土地利用の管理、河川の改修、建物の耐震化、災害の予報・警報など。 被害軽減被害が生じてもそれを少なくし、立ち直りがスムーズになるよう講じる対策。災害対応マニュアル や防災計画 の作成、防災システムの開発、人材育成、災害の予報・警報など。 一方、災害発生後の対応も大きく2つに分けられる。 応急対応救助、消火、医療、避難所の運営など。 復旧・復興住宅や生活の再建、心のケアなど。 これらに加えて、誘因たる外力を知ることも重要である。具体的には、自然災害のメカニズムやそれを抑止する技術の研究、災害の予測(ハザードアナリシス)、それらの知識の普及(防災教育)などである。 行政や企業などの組織が行う総合的な防災では、知識や技術、資金や利害関係の調整が求められるため、経営管理(マネジメント)的な視点が必要となる。そのため、この分野において防災はクライシスマネジメント(危機管理)・リスクマネジメントの一部として認識されている。 ディザスターマネジメント(災害管理)またはエマージェンシーマネジメント(緊急事態管理)においては、上記の行為は右図のように1つの循環の中に位置付けられる。この図では被害抑止や被害軽減はリスクマネジメント、応急対応や復旧・復興はクライシスマネジメントの範疇に定義しているが、より広く定義する場合もある。 また、災害のリスクについて理解を深め、その深刻さや受け入れ可能性(深刻さに応じた防災目標)、信頼できる警報のあり方、避難指示に従ってもらう方策、避難を引き出す方法などについて、実行しながら改善検討を重ねていくことをリスクコミュニケーションという。これに対し、災害発生後の被災現場で災害時特有の心理状態にある被災者に配慮しながら情報提供を行う方法について実行しながら改善検討を重ねていくことをクライシスコミュニケーションという。
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