災害の予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 00:24 UTC 版)
自然災害は、規模に頻度が反比例する確率的な現象である。つまり、自然災害を起こす外力が大きくなるほど頻度が小さくなるうえ、その上限を理論的に特定することができないという特徴を持っている。歴史記録の中から得られる自然災害の情報で信頼のおけるものは数百年程度であり、それを超える「1,000年に一度」というような低頻度の大きな災害については分からない部分が出てきてしまう。そのため、ハード対策では「設計基準外力」(計画外力)を設定してそれ以下の外力では被害が一切出ないように堤防などの構造物を設計し、ソフト対策では既往最大あるいは予想される一定レベルの外力を設定してハザードマップを作成しその場合における被害想定を行う。ただし、設計基準外力を設定するにあたっては、設定を高くすればするほど費用がかさむため、経済性との兼ね合いや住民の合意などの調整が必要となる。なお、これらの外力の再来間隔を確率年という。 一方で、被害想定はあくまで現段階で考えられうるものに過ぎず、想定を上回る「想定外」の事態が発生する可能性は常に存在する。東日本大震災が従前の被害想定を上回る規模であったように、である。そのため、「想定外」に対応できるようにしておくことも求められる。
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