鉄道の除雪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 23:35 UTC 版)
かつては専用の雪かき車を機関車で推進して除雪を行い、大規模なものとしてはキマロキ編成のようなものも用いられた。そのほか、人力も大変重要で、構内の除雪、ラッセル車で線路両側にかき分けた雪が次の除雪の障害にならないようさらにかき分ける作業(段切り)など多くの人手を必要とし、そのため地元住民によって除雪組合のような組織も作られていた。また捨て場のない雪を無蓋車やホッパ車などに積み込み、橋梁などで捨てるいわゆる「雪捨て列車」にも多くの人が乗り込み、列車間合いの短時間で雪を捨てるべく努力した。 しかし現在では除雪用ディーゼル機関車(DD14、DE15など)や、モーターカーの発達により、格段に機械化が進むとともに、従来の雪かき車は殆ど用いられなくなった。また上越新幹線などでは大規模な融雪装置も使用されている。 また、ポイント部分においては、雪の量は大したものでなくとも、凍結によって転換が不可能になると列車の運行に致命的な影響を与えるため、電気融雪装置などが開発されているが、場合によっては一時的にポイントにカンテラを仕掛けて融雪装置とする場合もある。 低温のため雪の湿り気が少ない北海道の路面電車と、かつて存在したインターアーバンの除雪には、スノープラウ式の雪かき車のほか、回転する竹ブラシで雪を跳ね飛ばすササラ電車が古くから用いられており、本格的な冬の訪れを告げる風物詩にもなっている。 温暖地で除雪車両のない場合や運行形態が過密路線で除雪車両の運行が困難な場合、乗客を乗せない終夜運転で線路上の積雪をある程度防止でき、現在でもそのような運用をすることがある。ほくほく線や北海道新幹線などではポイントに空気を使った除雪装置を取り付けている。
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