国鉄DD14形ディーゼル機関車とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 乗り物 > 列車 > 国鉄・JRの車両形式 > 国鉄DD14形ディーゼル機関車の意味・解説 

国鉄DD14形ディーゼル機関車

(DD14 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/06 09:28 UTC 版)

国鉄DD14形ディーゼル機関車
DD14 327号機と332号機
基本情報
運用者 日本国有鉄道
北海道旅客鉄道
東日本旅客鉄道
西日本旅客鉄道
台湾高速鉄道
製造所 汽車製造川崎重工業(大阪工場→兵庫工場)
製造年 1960年 - 1979年
製造数 43両
主要諸元
軸配置 B-B(除雪時1B-B)
軌間 1,067 mm狭軌
長さ 14,325 mm
(除雪時:21,050 mm)
3,933 mm
高さ 2,974 mm
機関車重量 58.0 t
動輪上重量 58.0 t
動力伝達方式 液体式
機関 DMF31SB-R
機関出力 500 ps/1,500 rpm × 2基
制御方式 機関回転数および液体変速
重連総括制御
制動装置 DL14B形空気ブレーキ、手ブレーキ
最大引張力 17,400 kg
テンプレートを表示

国鉄DD14形ディーゼル機関車(こくてつDD14がたディーゼルきかんしゃ)は、1960年に登場した、日本国有鉄道(国鉄)の除雪ディーゼル機関車ロータリー式)である。

概要

DD14 332の
DT113G形台車

1960年から汽車製造、1972年の汽車製造合併後は川崎重工業(大阪工場3両・大阪工場閉鎖後は兵庫工場が17両製造[1])が製造を引き継ぎ、1979年までに43両が製造された[2]。基本型の0番台が8両製造された後、減速機を改良[注 1]し、台車一体圧延車輪が採用された改良形のDT113Gに変更した300番台が1966年から製造された。

従来、ラッセル車により線路脇に壁状に押し退けられた側雪は、キマロキ列車の運転により側雪を一度線路中央部へ崩した後、それを掻き込んで遠方に跳ね飛ばしていたが、DD14形はこれを一度に1両でまかなうことを目的として、入換用に広く使用されていたDD13形ディーゼル機関車を基本として開発されたものである。

構造

ロータリーヘッドを外した状態 (DD14 334)
DD14 323 後方

車体の中央部に運転台を置き、両側にディーゼル機関を搭載したボンネットを配したセンターキャブ式凸型のDD13形に対し、試作型電気式ディーゼル機関車のDD41形(DD90形)に酷似した運転台を片側に寄せたエンドキャブ式の車体とし、運転台側に除雪用ロータリーヘッドを取付ける構造になっている。除雪用動力を取り出すためシャフト台枠上をキャブ側に貫通しており、これを避けるためエンジンとラジエーターの位置[注 2]がDD13形に比べて高く、ボンネット上面はキャブ屋根と同じ高さとなった。

ロータリーヘッドは着脱可能で、夏季はこれを外して入換に使うことも考慮されている。登場時はディーゼル機関車そのものが少なかったことから入換や小運転に使われていたが、ボンネット側の視界が極端に悪いことから、入換用の機関車が配備され始めるとほとんど使われなくなった[注 3]

動力は、DD13形の機関を元にしたDMF31SB-R形ディーゼル機関(500 ps / 1,500 rpm)を2基搭載している。これは、本形式の2ヶ月後に登場し、試作的要素が数多く盛り込まれたDD13形の111号機に搭載される予定だった、出力増強形のDMF31SB形(500 ps / 1,300 rpm) をロータリー除雪用に対応できるようにした機関であり、液体変速機もDD13形と同形となる変速2段・直結1段のリスホルム・スミス式シンコー DS1.2/1.35 を2基搭載している。車体の前後には機関とそれに装備された液体変速機が搭載されており、DD13形と同じく車体の前後に搭載された2つの機関からの出力軸を、車体中央に設置された逆転機に集めてから、前後の台車に推進軸で動力を振り分ける方式を採用している。一方で、逆転機にはロータリ羽駆動用のシャフトが追加されており、機関からの動力をそのシャフトに振り分けることができるようになっている。通常は1基の機関を除雪用、もう1基の機関を走行用としているが、逆転機により、機関を除雪・走行用に切り替えて使用できる。これにより、「単機走行で走行に2機関」「除雪に1機関・走行に1機関」「除雪に2機関」という3種類の使い方が可能となっている。除雪に2機関を使う場合は推進用の機関車を必要とすることから、重連総括制御装置を搭載している。

しかし、単機での除雪作業はほとんど行われず、当初から推進用機関車を連結して重連運転を行い、自身の機関は全て除雪用に使用することが多かった。これは、ロールバー形の除雪装置は馬力効率が悪く、2機関を使用しても出力に余裕がなかったことや[注 4]、2つの機関をそれぞれ除雪・走行に振り分けると、除雪能力が低下し、走行速度も著しく低くなるなど、求められる双方の性能が中途半端になってしまうことなどによる。また、機関に過剰な負担がかかるとオーバーヒートを起こすため、所属先によってはオーバーヒート防止のため、氷点下の気温にもかかわらず点検扉を全て開け放った状態で除雪作業を行うこともあった。そのため、登場当時は推進用機関車としてDD13 41を重連総括制御対応に改造したほか、当時製造中であったDD13形の142号機・143号機は新製時から重連総括制御対応となった。

以降は重連総括制御に対応したDD13形500番台・600番台を推進用機関車としたが、増備が進むにつれ、所属先によってはこれらの配置がない場合があった。また、当時は2000年代以降よりも積雪量が多かったほか、豪雪地帯を走る(後に廃線となった)路線も多く存在し、本形式の使用頻度も高かったため、こういった路線ではやむなく重連総括制御に対応していない機関車を推進用機関車として使用した。登場初期にはC57形C58形といった蒸気機関車が推進用機関車として使用された例があったが、これらの蒸気機関車は無煙化の進行に伴い、次第に配置が減少していった。代替として配置されたのがDD51形だったが、同形式は総括制御対応車であっても回路の違いなどから総括制御ができず、最後まで汽笛合図で運転された。また、板谷峠ではED78形電気機関車が推進用機関車として使用され、板谷峠の名物となっていた。後年、DD13形の老朽化による廃車が進行した際にはDE10形が推進用機関車として使用されたが、DD51形と同様、総括制御対応車であっても回路の違いなどから総括制御ができなかったため、こちらも本形式用の総括制御対応改造を施した。改造したDE10形は、未改造のDE10形との総括制御ができなくなっている。

JR移行後は、複線区間で往復作業するときの転向の問題(転車台が必要になる)から、本形式のボンネット側同士を連結した重連(反向重連・犬つなぎと称する)として、1両を除雪用、1両を推進用として使う事が多くなっている。

除雪装置

DD14 317 ロータリーヘッド開口部
DD14 323 ロータリーヘッド連結部

1軸台車を装備したロータリーヘッドは、1号機では「バイルハック形」と呼ばれる、ウイングで線路内に掻き寄せた雪を回転軸がレール方向に配置された2軸のローター(羽根車)で飛ばす方式のもの(キ620形の除雪装置を2つ並列にしたようなもの)であった。1号機は苗穂機関区に配置され、深名線で除雪試験を行った。結果は上々で、試験結果から手直しをした2号機と3号機を発注し、1号機は引き続き試験を行った。ところが、ウイングとローター、ローター同士の間で雪がうまく流れずに圧縮され、大きな雪壁となって前進不能となってしまう問題が起きた。最初の深名線での試験では雪質などの条件がたまたま良かっただけであった。そのため、雪が詰まらないようにローターに導く案内翼の設置や、ローターの形状変更などの改良を行い、40 km/hで投雪距離25 - 32 mという好成績を収めた。

翌年に落成した2号機と3号機は、新潟機関区に配置されて除雪試験を行った。しかし、本州の水分を多く含んだ雪では、除雪装置の改良を行ったにもかかわらず雪壁が生じ、使用不能と判断された。そのため2号機は名寄機関区に転属し、3号機のみ新潟に残って試験を続け、試行錯誤を繰り返していた。その最中に発生した三八豪雪では、各地の鉄道が2週間以上不通になる事態が起きたものの、その復旧作業はキマロキ編成人海戦術で行われ、3号機は使用されなかった。そこで、雪壁の問題を解決するため雪の塊を砕いてかき寄せる機構が考案され、2号機では回転軸が枕木方向に配置されたドラム型のローターが雪のかき寄せと投雪を兼ねる「ウニモグ形」、3号機では回転軸レール方向配置の大型投雪ローター1基の前方に回転軸枕木方向配置のかき寄せローターを追加した「ロールバー形」という2つのタイプを装備。1号機は従来のバイルハック形を改良し、それぞれ比較試験を行った。ロールバー形では構造上作業速度が5 - 10 km/hと低速だったため、1号機では約40 km/hで除雪が可能だった従来のバイルハック形を改良して試験を行ったが、ロールバー形が安定した性能を示したため、以降の量産機は全てロールバー形となった。2号機のウニモグ形は60 km/hという高速で除雪ができ、投雪距離50 mという高性能を示したが、ローターで雪をかき込む際に出る雪煙により前方が見通せない欠点があり、「吹雪が線路を突っ走っている」という関係者の証言があるほどだった。そのため、雪煙の上がりにくい新潟で再度試験を行ったが、視界はよくなったものの安定性はロールバー形が上であった。性能の優れたウニモグ形が不採用となったことで、関係者の落胆は大きかった。さらにこの除雪装置は、当時1,500万円もかけて製作したにもかかわらずわずか1ヶ月間しか使用されなかったため、会計検査院からクレームがつき、落胆していた関係者に追い打ちをかける形となってしまった。

後に1号機・2号機もロールバー形に改造され、2011年(平成23年)時点で見られるものはすべてロールバー形である。なお、4号機以降の除雪装置は油圧で制御するのに対し、3号機までは圧縮空気制御であったが、のちに速度と力に優れる油圧制御に統一されている。

かき寄せた雪の投雪方向は、当初は左右選択式で、投雪角度についてのみ連続可変式(最大右:60°、左:45°)であったが、沿線に民家などの建物が多くなり、また地形などの関係で左右に投雪できない場合も出てきたため、後に投雪口が回転式に改造され、左右のみならず前方にも投雪が可能となった車両がある。

雪壁を崩してかき集めるウイングも数回に渡る改良を受け、2011年(平成23年)時点では線路脇の雪壁を階段状に削り取る「段切り翼」[注 5]を装備し、最大7 m幅での除雪が可能である。

近況

1987年国鉄分割民営化時には、17両が北海道旅客鉄道(JR北海道)、20両が東日本旅客鉄道(JR東日本)、3両が西日本旅客鉄道(JR西日本)に引き継がれたが、2025年4月現在、JR東日本の盛岡車両センターに所属する310号機(保留車)1両のみが在籍している[3]

JR移行後は降雪量の減少に加え、高い除雪能力を備えたモーターカーが使われはじめたことにより、DD14形が除雪に使用される回数が徐々に減少している。後者の理由は、DD14形等の機関車で除雪を行うには排雪列車を設定し、運転要員を確保しなければならないのに対し、モーターカーでの除雪作業は線路閉鎖を行う必要があるものの、保線機械扱いであるため操縦に動力車操縦者免許が不要で、現場の保線要員のみで扱えるという簡便さ、経費の少なさが評価されているためでもある。

JR北海道の所属車は、最後まで本形式が使用された深名線が廃止されたことで、1996年までに全廃された。また、JR西日本所属車は北陸地区で使用されたが、こちらも2002年までに全廃となっている。

JR東日本では、近年まで本形式が除雪作業の中心として使用されていたこともあり、2007年頃までは承継された大半が残っていた。これは、本形式が使用される東北地方新潟地区では水分の多いベタ雪が多いため、モーターカーよりも除雪能力の高い本形式が好まれていた。しかし、DD14形よりも高い除雪能力を持つENR-1000形投排雪用保守用車が登場して東日本の各地に配備されたことにより、DE15形やDD16形と共に廃車が進行した。

最後まで残存したのは、長岡車両センターに所属し、信越本線直江津駅 - 黒姫駅間で使用されていた2両(327号機、332号機)である。これは、同区間が2014年度の北陸新幹線金沢開業によってJR東日本より経営分離されることが決定していたため、ENR-1000形が配備されず、DE15形と共に本形式を継続使用せざるを得ないという事情があるためだった[4]。2015年に北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、予定通りに同区間が経営分離されたことで、この2両も運用を離脱した。 332号機は新津鉄道資料館に保存されている[5]。327号機は2020年9月7日から8日にかけて秋田総合車両センターへ配給輸送され、同年9月9日付で廃車された[6]。ロータリーヘッドは長岡で取り外され、長岡車両センター敷地内に放置されていたが、その後解体された。

なお、JR移行後の特異な運用の1つとして、2008年3月28日・29日に運転された、臨時列車「信濃川」「小出銀嶺」がある。これは、上越線の開業77周年を記念して、「SLばんえつ物語」用の12系客車を使用して長岡駅 - 高崎駅で運転されたもので、このうち長岡駅 - 水上駅間では、長岡車両センターに配置された333号機・334号機が、ロータリーヘッドを外し、反向重連で使用された[注 6]。なお、これらを担当した2台のうち、333号機は約3か月後に廃車。334号機も2010年に廃車されている。

譲渡機

燕巣総合車両工場 DD14 331

保存機

DD14形静態保存機一覧
画像 車両番号 所在地
DD14 1 北海道三笠市幌内町2丁目287
三笠鉄道記念館
DD14 312 北海道北見市中ノ島町1丁目4-1
オホーツク鉄道歴史保存会
DD14 323 北海道小樽市手宮1丁目3-6
小樽市総合博物館
DD14 332 新潟県新潟市秋葉区新津東町2丁目5
新潟市新津鉄道資料館

登場作品

  • 島田直明 『赤鬼』鉄道ファン・フォトサロン「鉄道ファン407号」1995年3月号(交友社) / 『赤鬼』Best Shot「週刊朝日」1997年2月21日号(朝日新聞社)
  • 究極超人あ〜る - 「雪のなかへ」の巻に登場。
  • 科学記録映画『振動の世界』1971年製作(東京文映) - 狩勝実験線での試験車両の動力車として映像に記録されている。
  • 高倉健主演の映画『鉄道員(ぽっぽや)』の中で、廃車となったDD14 4のナンバープレートが背景に写るシーンがある。

脚注

注釈

  1. 破損の多かったマガリバカサ歯車をDD51用に変更、それに伴い組み合わせる斜歯(はすば)歯車、駆動軸も変更された。この結果歯車比も変化している(0番台:3.14→300番台:3.196)。
  2. 車体中央の位置に設置。
  3. 札幌駅では、特急「おおぞら」の付属編成(函館運転所所属の札幌回転車)や客車列車の増解結などで、1970年代まで使われていた。
  4. 実際、五六豪雪では2機関を使用して除雪中であった本形式において、機関がオーバーヒートを起こし破損する事故が起きている。
  5. 以前は段切り作業も人力で行われていた。
  6. 水上駅 - 高崎駅間では高崎車両センター所属のEF60形19号機が牽引した。

出典

  1. 川崎重工業「車両とともに明日を拓く 兵庫工場90年史(正史)」207-208P。
  2. 沖田祐作 編『機関車表 国鉄編II 電気機関車・内燃機関車の部』(ネコ・パブリッシング RailMagazine 2008年10月号(No.301)付録CD-ROM)
  3. 交友社『鉄道ファン』2026年1月号「国鉄形2026」
  4. レイルマガジン』341号、ネコ・パブリッシング
  5. 屋外常設展示|展示物紹介|新津鉄道資料館”. www.ncnrm.com. 2020年4月4日閲覧。
  6. 交友社鉄道ファン』2021年7月号「JR旅客会社の車両配置表」
  7. 登場100周年を迎えた雪かき車(2ページ)|車両|トレたび - 「DD14形・DD15形」「DE15形&モーターカー」”. www.toretabi.jp. 2025年12月25日閲覧。

関連項目





固有名詞の分類

国鉄・JRの車両形式 信濃鉄道の電車  国鉄9020形蒸気機関車  国鉄DD14形ディーゼル機関車  国鉄1形蒸気機関車  国鉄ED14形電気機関車
日本国有鉄道のディーゼル機関車 国鉄DF50形ディーゼル機関車  国鉄DF90形ディーゼル機関車  国鉄DF93形ディーゼル機関車  国鉄DD14形ディーゼル機関車  国鉄DB10形ディーゼル機関車
東日本旅客鉄道のディーゼル機関車 国鉄DD16形ディーゼル機関車  国鉄DE15形ディーゼル機関車  JR東日本DD18形ディーゼル機関車  国鉄DD51形ディーゼル機関車  国鉄DD14形ディーゼル機関車
西日本旅客鉄道のディーゼル機関車 国鉄DE10形ディーゼル機関車  国鉄DD16形ディーゼル機関車  国鉄DE15形ディーゼル機関車  国鉄DD51形ディーゼル機関車  国鉄DD14形ディーゼル機関車
北海道旅客鉄道のディーゼル機関車 国鉄DE10形ディーゼル機関車  国鉄DE15形ディーゼル機関車  国鉄DD51形ディーゼル機関車  JR北海道DBR600形ディーゼル機関車  国鉄DD14形ディーゼル機関車

英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「国鉄DD14形ディーゼル機関車」の関連用語

国鉄DD14形ディーゼル機関車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



国鉄DD14形ディーゼル機関車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国鉄DD14形ディーゼル機関車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS