バルトーク:野外にて
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バルトーク:野外にて | Szabadban | 作曲年: 1926年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 笛と太鼓 "Sippal, dobbal" | 2分00秒 | No Image |
2 | 舟歌 "Barcarolla" | 3分00秒 | No Image |
3 | ミュゼット "Musettes" | 3分00秒 | No Image |
4 | 夜の音楽 "Az ejszaka zeneje" | 5分30秒 | No Image |
5 | 狩 "Hajsza" | 2分30秒 | No Image |
作品解説
バルトークは、初期の作曲において、民謡素材に基づくピアノ曲を多く作曲した。
しかし、1923年、オーケストラ作品《舞踏組曲》の作曲を最後に、3年間、創作活動を中断している。この準備期間を経て、1926年、バルトークは、初期の作品とは全く異なる作風をもって、自ら「後期」への意思を示したのであった。
この曲は、その1926年6月~8月にかけてかかれたもので、同年に《ピアノソナタ》も作曲されている。《ピアノソナタ》がバルトークの古典派的形式理念の表したものだとすると、対照的な理念として、《野外にて》は描写音楽の領域にある。このような描写的な音楽は、《十四のパガテル(1908)》、《七つのスケッチ(1908~10)》、管弦楽の《二つの映像(1910)》、《三つのブルレスク(1908~11)》などの中でも試みていたものである。
5つの楽章からなる。第3楽章を中心として、第1、第5楽章が対の内容をもち、また、第2、第4楽章は共通の性格をもっている。この構成は、のちの《第四弦楽四重奏曲(1934)》などに、より完成した形であらわれている。
第1楽章:「笛と太鼓で」
演奏技巧は、《ピアノソナタ》と同程度である。行進調の、個性的な曲。
第2楽章:「舟歌」
拍子が変化することにより、波にゆられる舟の雰囲気がつくりあげられている。
第3楽章:「ミュゼット」
ミュゼットとはフランス語でいうバグパイプを意味し、それが転じて楽曲名にもなっている。楽器の音程のきしみや振動音が小音符であらわされており、これは指先で弾くのではなく、手の横ゆれを用いて表出するとよいだろう。
第4楽章:「夜の音楽」
妻のディッタ・パーストに献呈された。
第5楽章:「狩」
16分音符の急速なオスティナートの音型に、全音音階による短い旋律が乗る。右手の旋律を奏する際、その求心点をどこにおくのかをはっきりと意識したい。
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