郊外化の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 06:14 UTC 版)
郊外化は日本のみならず、多くの国で都市問題となっている。[要出典] 郊外化により、都市周辺の農村や森林、水辺空間が住宅開発やモール開発のため破壊される。 郊外に都市活動が広がることにより、道路、上下水道、公共サービスを整備しなければならない面積が増え、自治体の負担が増える。 移動距離が伸びることで、移動に時間やエネルギーを多く使う。郊外化に伴い、自家用車の利用者が増え、石油資源の枯渇、地球温暖化の進行が懸念される。 郊外から中心都市への移動が増えるため、公共交通機関の混雑や道路渋滞などが発生する。 郊外化による生活圏の広がり、地域コミュニティの希薄化により、郊外型犯罪の発生が懸念される。 産業の郊外化に伴い、雇用が郊外に流出する。 子供、貧困者、お年寄りや障害者など、自動車を運転できない交通弱者にとって不便である。→買い物難民、医療難民 郊外化が進んだ現在、中心市街地の空洞化(シャッター通り)のほか、様々な問題点が郊外化に関して提起されている。逆に大規模店舗の業者側からは、中心市街地の努力不足や、政府・自治体による郊外での過大な道路開発や公的施設移転など、郊外に偏った公共工事が問題であると反駁されている。 そうした中で、日本では2000年代以降、大都市圏の地価下落などを反映し、大きな都市では郊外化とは逆の都心回帰が発生している。またいくつかの地方においては、郊外の整備費用を減らすため、また徒歩や自転車でも移動しやすく交通弱者の生活しやすい街にするために都市機能を中心部に再集積させる「コンパクトシティ」への動きもある。 「中心市街地#中心市街地活性化」も参照 一方で郊外化が終焉したわけではなく、2007年現在においては、首都圏では旺盛な住宅事情を反映して、つくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)やJR武蔵野線、東武野田線の沿線などを中心に、現在でも郊外型開発が続いている。また、関西圏でも大阪モノレールや近鉄けいはんな線沿線などで宅地開発が進み、住宅事情の改善に貢献している。一方で、流山おおたかの森駅開業に伴い市野谷の森が伐採されるなど都市近郊の貴重な緑地が破壊され、新線開業に伴う過大な都市開発が自治体の財政状況に影響を与えるなどの社会問題が発生しており、移動距離の増加に伴って使用するエネルギーの増加も懸念される。
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