遠山和葉
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遠山 和葉 | |
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『名探偵コナン』のキャラクター | |
初登場 | 単行本19巻File.5「食いだおれの街」(アニメ118話「浪花の連続殺人事件」) |
作者 | 青山剛昌 |
演者 | 岡本玲 |
声 | 宮村優子 |
詳細情報 | |
性別 | 女性 |
職業 | 高校生 |
家族 | 遠山銀司郎(父) |
国籍 | ![]() |
遠山 和葉(とおやま かずは)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス『名探偵コナン』の作品に登場する架空の人物。
アニメでの声優は宮村優子が担当している[注 1]。ドラマでの俳優は岡本玲が担当している。
概要
服部平次のガールフレンド。平次と同じく改方学園高等部2年に在籍[注 2]。大阪府に在住。年齢は17歳。基本的な髪型は大きなリボンで結んだポニーテールだが[注 3]、就寝前には髪を下ろす[3][4][5]。平次とは作品を問わず2人で登場しており、和葉単独での登場は一度も無い。
父は大阪府警察刑事部長・遠山銀司郎。母は元機動隊銃器対策部隊・遠山櫻[6]。劇場版第14作『天空の難破船』では、横浜から引っ越してきた奈良在住の親戚の少年・川口 聡(かわぐち さとし、声 - 大橋のぞみ)が登場している。
名前の由来は、「遠山」は遠山金四郎、「和葉」はアシスタントの夫人の名前が気に入ったから[7]。
人物
気さくで明るく面倒見の良い性格。ナンパされたり好意を持たれたりすることもあるほど可憐な容姿[8][9][10][11]。だが、気の強さも併せ持つ。特技は2段の腕前を誇る合気道[12]。
一人称は「アタシ」[注 4]。周囲からの呼称は、「和葉(服部平次・遠山銀司郎・女子生徒の同級生関係者から)」、「和葉姉ちゃん(江戸川コナン)」、「和葉ちゃん(コナンが工藤新一[注 5]として・毛利蘭・鈴木園子・毛利小五郎など)」、「葉っぱちゃん(大岡紅葉)」。アニメでは、世良真純から「ポニテの彼女」と呼ばれたこともあり[15]、現時点で名字で呼ばれたことは一度もない。
犯人の遺留品に気付いたり[3]、平次の残した暗号のメッセージを解読したり[16]と勘は良く、蘭と共同で事件を推理したこともある[17]。歴史の知識にはバラつきがあり、大阪にゆかりの深い豊臣秀吉には詳しい一方[18]、「風林火山」の意味は知らない[19]。
意地っ張りな点やお化けや雷が嫌いな点など、蘭と似たところがある。停電した時は近くに居た男性の腕に思わず抱きつくなど[20]、意図せずに平次を嫉妬させることも多い。
料理が得意であり、蘭とともに食事を作ることも頻繁にある[4][20][21][22][注 6]。劇場版第21作『から紅の恋歌』では、平次を巡って競技かるたの高校生チャンピオンである大岡紅葉と百人一首の対決をすることになり、元クイーンでもある平次の母親・服部静華の指導のもと、紅葉と渡り合うほどの実力を身につけた。
原作での初登場は19巻で、灰原哀(18巻初登場)より後に登場したが、アニメでは118話が初登場で灰原(129話で初登場)より先に登場している。2003年時点では蘭より男性ファンからの人気が高かった[23]。第1回キャラクター人気投票での順位は8位(40票)。テレビ&劇場版15周年記念のキャラクター人気投票では7位。2012年の『週刊少年サンデー』連載800回記念キャラクター人気投票では11位。2020年5月7日発売の雑誌『ダ・ヴィンチ』2020年6月号で実施された「読者にしあわせを与えてくれたキャラ」ランキングでは、15位を獲得した[24]。
劇場版では、第3作『世紀末の魔術師』で初登場。それ以降、第7作『迷宮の十字路』・第10作『探偵たちの鎮魂歌』・第13作『漆黒の追跡者』・第14作『天空の難破船』・第17作『絶海の探偵』・第21作『から紅の恋歌』・第27作『100万ドルの五稜星』に登場している。このうち、『迷宮の十字路』『から紅の恋歌』『100万ドルの五稜星』ではメインキャラクターとして登場しており、『から紅の恋歌』ではヒロインとして登場する。
平次と同様、テレビアニメ版のオリジナルエピソードには殆ど登場しておらず、登場作品は2作のみで[25]、2013年以降の劇場版のプレストーリーには一度も登場していない(2025年現在)。
ドラマ版では、東京(警視庁管轄)で平次の父であり大阪府警察本部長である服部平蔵の名前を出して担当刑事を黙らせ、そのことを嫌がる平次には「使えるもんは使わんと」と進言するしたたかな一面を見せている。
人間関係
平次との関係
服部平次と幼馴染で、彼にとっては初恋の人である[26][注 7]。「平次の姉役」を自称している一方[27]、当の平次からは子分扱いされていた[28]。平次とは長らく両想いだったが、互いに想いを伝えられない状況が続いていた。
平次のことになると後先考えずに無鉄砲な行動に走る傾向がある[注 8]。平次の剣道の試合では、試合に出ないにもかかわらず部員以上に張り切る[18]。また、負傷した平次を見た際には、周囲の者が耳を塞ぐほどの大声で泣いたことがある[30]。
幼い頃に平次とつながれた手錠の鎖をお守りに入れ、彼のお守りにもこっそり入れている[31][注 9]。中学時代には、スキー上級者の平次と一緒にいたいがために自らも上級者だと偽り、その練習のし過ぎで足を捻挫したこともあった[32]。平次との待ち合わせでは、彼に忘れられてもなお4時間も待ち続けたことがある[33]。
蘭が新一に告白されたことに触発され、一度は勇気を出して平次に告白したものの、前置きとして話した新一の告白に驚いた平次が途中でコナンの元へ向かったため不発に終わる[34][注 10]。また、大岡紅葉からは平次を巡る恋敵として認識されており、彼女からの妨害を受けることもあった。しかし、浪速ハルカスで平次の独り言を偶然耳にして両想いであることを知り、晴れて平次と交際することとなった[6]。
その他の人物との関係
大阪を訪れてお好み焼き店に入ったコナン一行(江戸川コナン・毛利小五郎・毛利蘭)のもとに平次がいない間、いきなりコナン一行の隣に入り込んで席に座ったのが初登場[31]。当時は蘭と平次の仲を疑っており、一行が最初に訪れた通天閣から尾行と監視を続けていた[注 11]。
平次との初上京以降、コナンや蘭とはさらに親交を深めている。コナンのことは可愛がっており、蘭と同様に優しい態度で接しているが、その行動力を見てただの子供ではないと思っている節もある。
蘭のことは恋敵だと誤解し、執拗にライバル心を燃やしていたが[27]、誤解が解けて以降は良き親友となっている。互いに幼馴染との関係をからかい合うほか、「家族ぐるみで付き合いのある幼なじみの探偵を好きになっている」という似た恋愛事情を持つことから、互いの恋を真剣に応援し合ってもいる[注 12]。
蘭の親友である鈴木園子とも蘭を通じて友人となっており、原作では会話するシーンが少ないが、劇場版作品やOVA作品では会話も多く意気投合している。劇場版第21作『から紅の恋歌』では、園子は風邪のために和葉と会えなかったが、和葉が競技かるたの大会へ急遽出場することになったと蘭から連絡を受けた際は、和葉のために鈴木財閥の力で練習用のホテルの部屋や食事の手配を指示している。
現時点で、黒ずくめの組織に関わったことは原作・アニメ共に一度もなく、存在自体もまったく知らないが、劇場版にて灰原哀が科学者であることを阿笠博士と平次の会話から知った[30][注 13]。
脚注
注釈
- ^ 劇場版第7作『迷宮の十字路』で幼少時代の和葉が手毬歌を歌うシーンのみ、宮村ではなく他の役で出演していた佐久間レイが兼務している。
- ^ 「改方」は、火付盗賊改方の「改方」が由来である[1]。
- ^ 作者によれば、コナンや蘭や平次の髪型同様に「キャラの特徴」として意識しているとのこと[2]。
- ^ 怪盗キッドの変装に利用された際には、コナンや諸伏が変装であることを見破るきっかけにもなった[13]。小説版『工藤新一への挑戦状』シリーズでは「私」と言う場合もある[14]。
- ^ OVA「10年後の異邦人」では「和葉」と呼び捨てにしていた。
- ^ ドラキュラの恐怖に怯えた際には、その気晴らしも兼ねて蘭と共に小麦粉から餃子の皮を作った[21]。
- ^ 和葉は京都の手鞠歌(京都市内の通り名の歌)を歌詞の一部を間違って覚えていた(「姉さん」を「嫁さん」)。しかしそのことが理由で、平次は初恋の少女の正体が和葉であることを悟ることとなった。
- ^ 崖から落ちそうになった平次を庇った結果、2人とも落ちそうになる。その際に持っていた矢で平次の手の甲を刺し、自分の命を捨ててまで彼を助けようとした。しかし、平次はそれでも手を離さず、「絶対助ける」と気合を入れる結果となった[29]。
- ^ 実際は、平次はお守りの中の手錠の鎖には気づいていたようである。その鎖が犯人の凶刃からコナンを救ったこともある[31]。加えて、自身のお守りには平次の写真も入れているため平次には見せまいとしていたが、平次と和葉の仲に嫉妬した国末 照明(くにすえ てるあき)に落書きをされてしまい、この落書きされた写真が見せられない原因だと平次から勘違いされた[9]。
- ^ なお、平次が途中で駆け出したことを気付かずに発した「めっちゃ好っきやねん!!」という告白の台詞を偶然居合わせた高木刑事に聞かれてしまっている。
- ^ 蘭と平次の服装が偶然ペアルックだったことが原因。初登場時には、平次から新一のことを聞かされていたが、平次が常に名字で「工藤」と呼んでいたため、その「工藤」が男であることを知らずに蘭のことだと勘違いし、彼女に詰め寄った[31]。26巻の学園祭の事件で新一と初対面した際に誤解は解けた[35]。
- ^ 恋愛面以外でも、蘭は「父が元刑事で自分は空手の有段者で家事もこなす」など、「父が刑事で自分は合気道の有段者で家事も得意」な和葉とは、その特徴や境遇などがよく似ている。
- ^ 灰原が幼児化していることを知らない周囲の関係者で、彼女を科学者と知ったのは現在まで和葉のみである。
出典
- ^ 青山 剛昌 (2000年9月27日). “Vol.4”. サンデーまんが家BACKSTAGE. 小学館. 2016年12月1日閲覧。
- ^ “『名探偵コナン』青山剛昌によるキャラクター豆知識 鈍感王は…平次、お前やっ!!”. シネマトゥディ (シネマトゥディ). (2017年4月16日) 2020年5月14日閲覧。
- ^ a b 単行本25巻File.4「蜘蛛屋敷」 - File.8「言葉にできない」(アニメ166話 - 168話「鳥取クモ屋敷の怪」)。
- ^ a b 単行本39巻File.1「誘う赤馬」 - File.5「愚かなる模倣」(アニメ325話 - 327話「炎の中に赤い馬」)。
- ^ 単行本70巻File.5「魔犬」 - File.11「仁義八行」(アニメ611話 - 613話「犬伏城 炎の魔犬」)。
- ^ a b 単行本106巻File.6「朱殷色の開演」 - 106巻File.10「茜色の千秋楽」(未アニメ化)。
- ^ 少年サンデー特別編集プロジェクト「コラム7 元ネタは…これかーー?」『コナンドリル』小学館、2003年5月1日、153頁。ISBN 4-09-179402-5。
- ^ 単行本35巻File.11「デス・アイランド」 - 36巻File.4「姫と龍宮城」(アニメ291話 - 293話「孤島の姫と龍宮城」)。
- ^ a b 単行本66巻File.8「お守り奪還作戦!」 - File.10「意地悪」(アニメ573話 - 574話「恥ずかしいお守りの行方」)。
- ^ 単行本83巻File.7「探偵の師匠」 - File.9「麻薬取引現場」(アニメ763話 - 764話「コナンと平次 恋の暗号」)。
- ^ 劇場版第27作『100万ドルの五稜星』。
- ^ 劇場版第10作『探偵たちの鎮魂歌』、他。
- ^ 単行本96巻File.4「氷中」 - File.7「遺品」(アニメ983話 - 984話「キッドvs高明 狙われた唇」)。
- ^ 小説「工藤新一への挑戦状」シリーズ単発作品『対決!! 工藤新一VS服部平次』、15頁、他。
- ^ 単行本74巻File.5「どっちが名探偵なんだ?」 - File.7「魔法の料理」(アニメ651話「コナンVS平次 東西探偵推理勝負」 )。
- ^ 単行本54巻File.9「東の高校生探偵」 - 55巻File.2「熱血探偵」(アニメ479話「服部平次との3日間」)。
- ^ 単行本43巻File.6「どっちの料理ショー!?」 - File.9「仕組まれたメッセージ」(アニメ381話 - 382話「どっちの推理ショー」)。
- ^ a b 単行本31巻File.8「浪速の剣士」 - File.10「裁きの剣士」(アニメ263話「大阪ダブルミステリー 浪速剣士と太閤の城」)。
- ^ 単行本59巻File.5「百足」 - File.10「陰と雷」(アニメ516話 - 517話「風林火山」)。
- ^ a b 単行本47巻File.8「出現マジック」 - File.11「奇術師(マジシャン)失格」(アニメ406話 - 408話「コナン平次の推理マジック」)。
- ^ a b 単行本79巻File.6「吸血鬼の館」 - 80巻File.1「殺人鬼の計画」(アニメ712話 - 715話「服部平次と吸血鬼館」)。
- ^ 単行本92巻File.11「喫茶ポアロで暇潰し」 - 93巻File.2「喫茶ポアロで謎解きを」(アニメ885話 - 886話「謎解きは喫茶ポアロで」)。
- ^ 少年サンデー特別編集プロジェクト「ファン投票 コナン THE ベスト」『コナンドリル』2003年5月1日、205頁頁。
- ^ アニメ554話 - 555話『こうのとりミステリーツアー』・アニメ965話 - 968話『大怪獣ゴメラVS仮面ヤイバー』
- ^ 劇場版第7作『迷宮の十字路』。
- ^ a b 単行本21巻File.11「東京日和」 - 22巻File.3「かかった獲物」(アニメ141話 - 142話「結婚前夜の密室事件」)。
- ^ 単行本38巻File.8 - File.10「服部平次絶体絶命!」(アニメ323話 - 324話「服部平次絶体絶命!」)。
- ^ 単行本28巻File.6「人魚の呪い?」 - File.10「報われぬ心」(アニメ222話 - 224話「そして人魚はいなくなった」)。
- ^ a b 劇場版第17作『絶海の探偵』。
- ^ a b c d 単行本19巻File.5「食いだおれの街」 - File.8「免許証の秘密」(アニメ118話「浪速の連続殺人事件」)。
- ^ 単行本50巻File.8「平次の思い出」 - 51巻File.1「吹雪の中の復讐」(アニメ490話「服部平次VS工藤新一 ゲレンデの推理対決」)。
- ^ 単行本34巻File.2「反撃の糸口…」 - File.4「あんた何者や」(アニメ277話 - 278話「西の名探偵vs.英語教師」)。
- ^ 単行本74巻File.8「EYE(イーワイイー)」 - 75巻File.2「親子の間の錯視」(アニメ652話 - 655話「毒と幻のデザイン」)。
- ^ 単行本26巻File.3「覆われた真実」 - File.4「命懸けの復活」(アニメ191話「命がけの復活 黒衣の騎士」)。
外部リンク
- 遠山和葉 - 名探偵コナン(読売テレビ) - ウェイバックマシン(2015年9月7日アーカイブ分)
- 遠山和葉 - 「名探偵コナン」ドラマスペシャル 工藤新一 京都新撰組殺人事件(読売テレビ)
固有名詞の分類
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