運動の記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 07:08 UTC 版)
ある瞬間における各点の速度ベクトルに沿ってできる曲線を流線、同一点から次々と流れる複数の粒をある瞬間に結んでできる曲線を流脈線(流条線)、1粒の移動経路を継続追跡して描かれる曲線を流跡線と呼ぶ。定常な流れでは三者は同一となるが、非定常な流れでは異なる線となる。 一般に速度場 v の境界条件と全領域における rot v , div v の値がわかれば、ヘルムホルツの定理より速度場 v を再現できる。rot v = 0 を満たす流れを渦なしの流れといい、 div v = 0 を満たす流れを非圧縮性の流れという。rot v = 0 , div v = 0 を満たす流れには、ある調和関数φが存在して、v = ∇φ と置ける。特に2次元流れの場合速度場は複素速度ポテンシャルで表現でき、数学的取り扱いが非常に簡単になる。 流体の運動は以下の保存則と状態方程式によって記述される。質量保存則 (連続の式) 運動量保存則 (運動方程式) エネルギー保存則 非粘性流体の速度場の変化を支配する運動方程式は、重力などの外力を除けば、圧力のみで記述できる。1755年にレオンハルト・オイラーにより定式化されたオイラー方程式と呼ばれる1階非線型偏微分方程式が非粘性流体の支配方程式である。粘性流体の支配方程式はナビエ-ストークス方程式とよばれ、オイラー方程式に粘性散逸項を加えたものである。 流体は、規模の大小が異なってもレイノルズ数やマッハ数などの無次元量が等しい流れは似た挙動を示し、これは相似則と呼ばれる。レイノルズ数が低いときの滑らかな流れを層流、レイノルズ数が高いときの乱れた流れを乱流と呼ぶ。
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