造兵部系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 06:44 UTC 版)
火工部:火薬製造・充填を担当。呉廠に設置。 製鋼部・製鋼実験部:装甲板・砲弾・砲身の製造開発を担当。呉廠に設置。 電気部・電気実験部:呉廠に設置。 砲熕部・砲熕実験部:砲身・砲塔の製造開発を担当。呉廠に設置。 水雷部・魚雷実験部:魚雷・発射管の製造開発を担当。呉廠に設置。 機雷実験部:横廠に設置。 航空機部:佐廠に設置。 航空機実験部・発動機実験部:横廠に設置。 さらに呉郊外の広村に1921年(大正10年)増設された呉工廠広支廠が、1923年(大正12年)に独立工廠として昇格した。広支廠は主力の航空機部に加え、機関実験部・鋳物実験部を設置し、造船造機部門も分業している。 なお、横須賀の航空系部門は航空本部の強化に伴い航空廠空技廠に改編された。また広廠・佐廠の航空機部は、太平洋戦争時にそれぞれ第11空廠・第21空廠に組織改編している。 太平洋戦争に備えて増設された工廠は、艦政本部系よりも航空本部系に属するものが多い。航空本部系の番号空廠が機体整備に特化しているのに対し、地名工廠は装備品・航空兵器の製造に特化している。ただし、艦政本部と航空本部の分掌は重複していることも多く、どちらに属すると明言できないケースも多々見られる。 光工廠:砲熕部・水雷部・爆弾部を置く艦本系の兵器製造工場。 豊川・多賀城・高座・鈴鹿工廠:機銃部・火工部を置き、航空機銃・機銃弾の一元製造を担当した航本系機銃工場。 川棚工廠:水雷部を置き、航空魚雷のみの製造を担当した航本系魚雷工場。 相模工場:火工部を置き、焼夷弾・爆弾の一元製造、防毒マスクの製造を担当した航本・艦本系の化学工場。 津工廠:発動機部・推進機部を置き、航空エンジンのみの製造を担当した航本系の機械工場。 沼津工廠:航空無線部を置き、無線機のみの製造を担当した航本系の無線工場。 当初、海軍工廠は、工廠職員と募集や徴用によって集まった工員で構成していたが、戦局が悪化すると国家総動員法が公布され、動員学徒や女子挺身隊、朝鮮人・台湾人労働者なども加わっていった。 また、軍需工場であるため、米軍による爆撃の標的にされることも多く、悲劇を生むことも多々あった。
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